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拡大するポイント・サービスの落とし穴

販売奨励策のはずが「お荷物」にも

  • 杉田 庸子

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2007年9月27日(木)

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 顧客の囲い込みなどマーケティング上の効果を狙って、航空会社や家電量販店がマイレージやポイントを発行するようになってから久しい。これらのマイレージやポイントは、当初は自社のサービスでの利用に限られていたが昨今は、他社が展開するポイントサービスや日本では「エディ」「スイカ」といったいわゆる電子マネーに交換が可能になるなど、より利便性の増したものになっている。

 こうしたポイントサービスやマイレージプログラムは、今や消費者にとっては普段の生活で当たり前の存在になっており、また企業にとっても収益力の強化に欠かせないツールになっている。だが同時に、無計画なポイントやマイレージの発行はその後の企業の財政上の負担となり、収益力の強化よりも、むしろ収益性を悪化させる存在になりかねない。最近、国際会計基準でポイントに関する会計処理の方向性が示されたことが、その転機になる。

売り上げの繰り延べで債務額が膨らむ

 ポイントに関する会計処理は現在、各国でまちまちの状況だ。こうした状況を改善するため、2007年5月に国際会計基準を作る専門家組織である「国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)」は、「顧客ロイヤルティープログラムの会計処理」とする解釈指針を発表し、統合に向けた方向性を明確にした。日本の企業会計基準委員会(ASBJ)は2011年6月末までに国際会計基準との違いを解消すると公表しており、この基準は日本でも近い将来に取り入れられる可能性が高いものだ。

 この指針によれば、顧客が利用するまで顧客に与えられたポイントなどは、その公正価値で評価され、売り上げから繰り延べ、負債として計上することになる。売り上げとして認識が出来るのは、そのポイントが使われた時点、もしくはポイントの使用期限が到来して失効した時点となる。

 この指針が正式に認められると、航空会社など多額のポイントを発行している企業の場合、財務上の負担が増す可能性が出てきた。ポイントの公正価値相当額の収益を繰り延べることが義務づけられると、負債として計上する額が膨らみ、販売時点で認識できる利益が減ってしまう。

ヤマダ電機、ビックカメラでは100億円を超える

 日本の場合、ポイントの発行で発生した費用は、一定の要件に合致していれば、企業は引当金を計上することで対応してきた。引当金とは、簡単に言えば、将来の費用もしくは損失のこと。家電量販店やクレジットカード会社の買い物ポイントを引当金に計上する場合、過去の履歴から算出したポイントの消化率を掛け合わせて、将来ポイントとして消費される相当額、すなわち企業にとっての売り上げを減少させる相当額を計上しているのである。

 従来から家電量販店やクレジットカード会社はポイント発行の将来負担分を引当金として負債に計上している。ヤマダ電機は2007年3月期に「ポイント引当金」として負債の部に139億5700万円を、ビックカメラが2006年8月期に113億5400万円を計上している。 クレジットカード会社では、「永久不滅ポイント」で知られるクレディセゾンは2007年3月期には固定負債の「ポイント交換引当金」として362億500万円を計上している。

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