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Vol.5 雑誌って、人の数だけあっていい

  • 小林弘人

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2007年10月9日(火)

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 すでに前回まででさんざん繰り返しておりますが、私が言う「誰でもメディア」とは、紙の雑誌が進化したメディアだと思っています。

 ですから、今回私は「誰でもメディア」のチャンスとは、紙の出版社がやらなかったことの中に埋もれていることが多い、と申し上げましょう。

 よく雑誌のデジタル化というと、すぐ雑誌に似たインターフェイスのブラウザを使い、手間ひまかけて紙媒体そっくりにするけれど、そもそも本稿にも記しているけれど、あれって「雑誌=インターフェイス」って思ってるのかな?

 そこで、「誰でもメディア」が示唆すべき教訓のひとつは、「他人(特に出版社)の進化を奪え」です。

 たとえば、フォートラベルですが、これは、かつての紙しかなかった頃の「地球の歩き方」じゃないでしょうか。「地球の歩き方」がそのままコンセプトをネットに移植していたら、フォートラベルだったはず。つまり、「地球の歩き方」は紙の時代からすでにCGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)だったわけですね。

 プロの編者がCGMの悪口を言う場合、「クズ情報だらけ」ということがありますが、「地球の歩き方」も「地球の迷い方」などと揶揄されることもあり(失礼!)、かつてよりCGMというのはうさん臭い情報を含有する、という印象は根強いものです。

 じゃあ、マスメディアにクズ情報がないかというと、テレビをつけたり、書店を見渡せばクズだらけだと思うのは気のせいかしらん?

ウェブって「暮らしの手帖ぶっちゃけ版」かも

 また、「2ちゃんねる」って、スレッドによっていろんな顔があるから一言で言えませんが、でも、「参考にする情報」と「(時間を)消費する情報」を兼ね備えていて、昔で言ったら、いろんな読者投稿型雑誌やミニコミ誌が持っていた要素だと思えなくもないし、それが過激かつ、アナーキーに進化したのではないでしょうか。しかも、タダで逐次生成されるのだから多くの「(時間を)消費する情報」雑誌にとっては手強い存在です(この場合、ラーメン屋や床屋によく置かれている雑誌の記事と同様、その情報の真贋は措いておきますが)。

 あるいは、読者がどんどんコンテンツを進化させていく芸が、「VOW」とか「びっくりハウス」っぽい。高尚な見方をするなら、消費者の本音が飛び交うスレッドなどは、編者のいない「暮らしの手帖ぶっちゃけ版」と言えなくない?

 逆に、バイクブロスやGoo Bikeなどの中古バイク検索サービスは、誰の進化を奪ったかと言うと、これは自ら進化したわけですね。わかりやすすぎて身も蓋もありませんが、中古バイク情報誌はウェブに移植されて、紙にできなかったこと以上のパワフルなことができるようになったわけです(車種検索やバイク店の在庫情報などの随時情報入力など)。

 Hanakoやグルメぴあもそういった例なのかもしれませんが、共通の趣味や性癖などコミュニティ組成に直結するもの、またCGM的なもの、あるいはイエローページ的要素が強いもの、これら紙媒体はウェブに移行する必然が数多くあったわけです。

 上記の雑誌は、ウェッジシェイプ(くさび型)などとも呼称され、くさびがひとつの方向に鋭く起立するよう、これらは特化された目的のために存在する、読者のための「機能」を売りとするメディアです。

 機能提供型のメディアは、ビジネスモデルも明快で、ウェブや携帯、そしてまだ見ぬ新テクノロジーの革新と親和性は高いと思われます。これらはコンテンツのアグリゲーション(集約)が命であり、文脈やテイストよりも、まず先にその分野を切り拓き、ブランドを確立することが大切でしょう。

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三品 和広 神戸大学教授