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戦略なきところにリスクは見えず

金融商品取引法 その2(内部統制報告書制度)

  • 野村 修也

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2007年10月4日(木)

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 9月30日に金融商品取引法(金商法)が全面施行されました。金商法は投資家保護を目的として証券取引法など旧来の法制度の改正及び新設の規定を盛り込んだ法律で、様々なポイントがあります。

 中でも脚光を浴びてきたのが、財務報告の虚偽記載などの防止を目的とした、内部統制報告書制度を設けたことです。金商法の施行で、主に株式上場会社に対して財務報告に関する内部統制体制の報告を四半期ごとに義務づけ、2008年4月以降の決算期から全上場会社に適用することにしたのです。

 金商法で内部統制報告書制度を設けた趣旨は、粉飾決算を防いで財務報告の信憑性を高めることで、投資家の利益を保護することにあります。制度の目的はあくまで粉飾防止であって、内部統制はその手段に過ぎません。

 しかし、残念ながらこの内部統制報告書制度に関して、一般事業会社の間でその趣旨を誤解している節があります。内部統制のための文書化をどのようにすればよいのか、そのための内規をどのように書かなければいけないのか、といったテクニカルな部分に議論が矮小化されているように見受けられます。

抱えるリスクは会社ごとに違う

 内部統制の根幹はリスク管理にあります。金商法では財務報告に焦点を絞っているようにとらえがちですが、適正に財務報告をするには、会社が法令順守や業務効率化、資産保全など企業活動全般にわたるリスク管理を一体的に行う必要があります。

 本来、会社が抱えるリスクには、1つとして同じものがないはずです。会社ごとに業務内容も違えば、事業規模や事業特性も異なる。経営環境や成長段階も違います。各社にはそれぞれ独自のリスク管理手法があるはずで、どの会社にも当てはまる内部統制の仕組みなどは、存在しないのです。

 適切なリスク管理をするには、明確な経営戦略の構築なしにはあり得ません。新たな商品・サービスを投入して収益の急成長を狙う場合と、競争プレーヤーも限定されている安定した収益基盤を守る場合とでは、おのずとそこに内在するリスクは違います。会社としてどのように事業を展開していくかの戦略を持たなければ、どのようなリスクが発生し得るか、そのリスクの発生を抑えるために何をすべきか対応できません。

 それでは、どのようにリスクを把握し、その対処法を構築すればよいのでしょうか。そのヒントになるのが、1998年に制定された「金融検査マニュアル」と金融機関の対応です。

日本版SOX法と呼ばれるが…

 金商法は「日本版SOX(サーベンス・オックスレー)法」とも呼ばれているように、米国が2004年から適用したSOX法が発火点になっていることを、ご存じの読者も多いと思います。

 2001~02年に米国ではエンロン、ワールドコム、タイコ・インターナショナルといった名だたる企業が不正会計事件を起こし、投資家の利益を侵したことで、米国の資本市場は危機に陥りました。時を違わずして日本でも、西武鉄道やカネボウといった老舗の上場企業が不正会計事件を次々と引き起こしました。

 こうした状況から我が国も米国のSOX法に倣い、投資家保護の一環から、上場企業の財務報告に信頼性を確保する必要が生じました。そこで資本市場を所管する金融庁が、金商法に財務報告に関する内部統制制度について盛り込んだのです。

 内部統制については2006年5月から施行された会社法でも既に規定されており、取締役会など会社運営に伴う様々な観点から内部統制の構築を求めています。こうした会社法の規定がある中で、金融庁所管の金商法が内部統制報告書制度を設けたのは、資本市場の健全性を確保し、投資家の利益を保護する目的があるからです。と同時に、そもそも日本で最初に内部統制について規定を設けたのは、1999年に当時の金融監督庁(現金融庁)が導入した金融検査マニュアルが最初であることも関係しているのです。

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