「ダイバーシティーマネジメントに取り組む女たち」

ダイバーシティーマネジメントに取り組む女たち

2007年10月12日(金)

第16回:ジョンソン・エンド・ジョンソン・メディカルカンパニー
女性を守り過ぎない職場づくりを

最前線で活躍する大島恵美さん、野津 バーンスタイン 麻美子さんに聞く

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 世界57カ国で事業を展開するジョンソン・エンド・ジョンソンがダイバーシティー活動に力を入れ始めたのは、2002年、ウィリアム・ウェルドン氏がCEO(最高経営責任者)に就任してからだ。「ダイバーシティーに関して先頭を走る企業にしようと、CEOが宣言したのです」。そう語るのは、同社日本法人のジョンソン・エンド・ジョンソン・メディカルカンパニーで、「ダイバーシティ&インクルージョンオフィス」のオフィスマネジャーを務める大島恵美さんである。

人事総務本部 人事部 企画グループ兼 ダイバーシティ&インクルージョンオフィス マネジャーの大島恵美さん

人事総務本部 人事部 企画グループ兼 ダイバーシティ&インクルージョンオフィス マネジャーの大島恵美さん (写真:山田 愼二、以下同)

 この宣言を受け、各国の拠点でダイバーシティー推進運動が始まった。日本のジョンソン・エンド・ジョンソン・メディカルカンパニーでは、2003年、人事総務部のスタッフが中心となってダイバーシティ・プログラムを導入することを決定した。

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは事業別に3つのカンパニーに分かれる。メディカルカンパニーはその1つで、医療品の輸入と製造販売を手がけ、売上高は全体の82パーセントを占める。 他の2つは、バンドエイドやベビーローションなど一般消費者向け製品を生産販売するコンシューマーカンパニーと、使い捨てコンタクトレンズのアキュビューを輸入販売するビジョンケアカンパニー。各カンパニーが異なる分野のビジネスを展開しているため、ダイバーシティー運動も個別に推進することになった。

 大島さんは活動のスタート時点をこう振り返る。「人種、言葉、宗教などが異なる社員を認め合うことをダイバーシティーの目標に定めた国が多かったようですが、日本ではそのような問題が少ない。調査すると、日本は女性社員比率が最も低い国の1つだと判明しました。そこで私たちは、女性比率を上げることを第一の目標としたのです。それと並行し、障害者雇用への対策を掲げて活動を開始しました」

 当時の女性比率は、中国や米国、オーストラリアなどの法人では50パーセント前後だったのに対して、日本は23パーセントだった。そこで大島さんたちは、2006年までの3年間に女性比率を35パーセントに、女性管理職はそれまでの14パーセントから25パーセントに引き上げる数値目標を設定した。同社の管理職とは、リーダー(日本企業の係長と課長の中間あたり)以上の役職である。ボードメンバーと呼ばれる経営委員会については、それまでの8パーセントから25パーセントに引き上げる目標を立てた。

 「明確な数値目標を設定すれば、真剣に取り組まざるを得ない状況が生まれますからね。特に我が社は製品営業を主な事業とするカンパニーなので、数字を提示されると意欲がわくという営業マン気質があるのかもしれません(笑)」と大島さんは説明する。

 昨今の日本の医療業界を見渡すと、女性が確実に増加しているのが分かる。例えば2004年には既に、医師国家試験合格者の24パーセントを女性が占める(厚生労働省調べ)。大島さんはこう解説する。「女性医師の数が増えているうえに、看護士の大多数は女性です。病院など医療器具販売の営業現場では、商談相手が女性というケースも珍しくない。そうした面からも、女性比率引き上げを目標としたことは自然な流れだったと思います」

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著者プロフィール

岡崎 秀(おかざき・ひで)

岡崎 秀

1975年、慶応義塾大学文学部を卒業。出版社に勤務した後、フリーランスとして翻訳業務に従事する。1988〜2004年までパリに滞在し、現地の日本語情報誌の編集に携わる。現地の生活などをテーマにした記事を執筆するかたわら、JETRO、UNESCOで翻訳も行う。2004年に帰国後、英語、フランス語のインタビューも手がける。「日経ビジネスアソシエ」などに執筆中(写真:佐藤 正治)。


このコラムについて

ダイバーシティーマネジメントに取り組む女たち

 企業の女性活用推進室などで、ダイバーシティー(多様性)マネジメントに取り組む女性管理職たち。このコラムでは、彼女たちへのインタビューを通じ、活用推進の実態や課題、現場の声などを聞いていく。 女性リーダーのための記事は「NBonline Women at Work」へ。

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