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ニーズは「仕入れる」もの。その結果が店頭になる

  • 和田 けんじ

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2007年11月5日(月)

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 皆様は、「東急ハンズ」に対してどういうイメージをお持ちでしょうか。
 多くの方に共通する意見は、「いろんな種類のものがある」「とにかくものがたくさんある」といったものではないでしょうか。

 売り場面積で、東急ハンズの各店舗を上回る小売店は沢山ありますが、扱っている商品の種類と、幅広さで東急ハンズに匹敵する店舗があるか? これは、ハンズを愛する人々の誇りだと思います。

 当初より「提案」「需要の開拓」が大きなテーマであったため、豊富で幅広い品揃えはそれを達成するために必要なことでした。
 しかし、ここまで偉そうに語ってきましたが、現在の形が、創業当初に完成していたわけではありません。

 日々の営業の中でいただいたお客様からのご要望を、品揃えに反映させていった結果なのです。

「仕入れ方」の実践例をお話しします

 従業員全員が、「お客様のニーズを仕入れる」という意識を共有してきました。
 ちょっと信じにくいことかもしれませんが、会社も、「それは本当に売れるのか」などと問いただすことなどありませんでした。

 「お問い合わせをいただいたが扱っていなかったものを仕入れ、店頭に並べよう」
 これは会社の方針として徹底されていました。

 例えばこんなことです。私が東急ハンズに入社して半年くらいのことです。

 お客様相談カウンターに、ご年配の女性のお客様がお見えになりました。そして私に、こうお尋ねになりました。

 「湯たんぽのふたのゴムありますか」

 一瞬、私はびっくりしました。

 (湯たんぽのふたのゴムって…)一瞬考えをめぐらしましたが、すぐそれが「ゴムパッキン」であることに気づきました。湯たんぽに入れたお湯が漏れ出さないために、ふたの内側に付いているゴムのリングのことです。

 11月も終わりの頃で、湯たんぽそのものは数種類扱ってはいましたが、ふたのゴムパッキンまでは扱っていませんでした。また、お客様のお宅の湯たんぽは、お店にあるものとは、見た目が全然違うようで、メーカー名すら分かりません。

 しかし、「申し訳ありません。今すぐご用意ができません」と言わないのが、半年の間に身についた、「新米ハンズマン」の心構え。使えるものはないかと、素材のコーナーのゴムリングをお見せしますが、さすがにどれが合いそうかなんて、お分かりにはなりません。

 さらに、湯たんぽの載っているメーカーカタログをご覧にいれても、同様に心許ないご様子でした。さて、困ったなと思いましたが、よくお話をお聞きすると、お客様のご自宅は歩いてすぐのところのようです。

さすがにパッキンだけでは販売していなかったが…

 ご年配でもあり、何度もご足労いただくのもと思い、「拝見させていただいてどのメーカーのお品物か調べたいのですが」と申し上げました。メーカー名さえ分かれば、問い合わせることができます。「そうしていただけるとありがたい」とのご返事。

 しかし私は、1年の間に雪が降ることがあるかどうかというほど、暖かい地方の出身で、湯たんぽの実物を初めて見たのは、東急ハンズに入ってからのことでした。「拝見してメーカーが分かるかな」という不安を携えての訪問でしたが、すぐに判明しました。ありがたいことに、メーカー名が本体に刻印されていたのです。

 お取り寄せが可能かどうか、お調べしてご連絡することをお約束して、お客様宅を後にしました。

 お店に帰ってすぐメーカーに電話をしましたが、替えのゴムパッキンは販売していないし、ゴムパッキンのみの出荷はしたことがないとのことです。それでは、件のお客様にお渡しすることができません。

コメント2件コメント/レビュー

連載記事が進むにつれ、「昔のハンズはよかったなあ」という感想になってきています。今のハンズと今の店員さんから、文中の「東急ハンズの信念」を感じません。ただの「大規模雑貨屋ではない『何か』」を期待してハンズに足しげく通っていた頃が懐かしいです。(2007/11/12)

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連載記事が進むにつれ、「昔のハンズはよかったなあ」という感想になってきています。今のハンズと今の店員さんから、文中の「東急ハンズの信念」を感じません。ただの「大規模雑貨屋ではない『何か』」を期待してハンズに足しげく通っていた頃が懐かしいです。(2007/11/12)

いつもハンズに幾たびに不思議に思っていました。文具なら本当に欲しいものがいつも並んでいる。それはやはり消費者のニーズに耳を傾けた結果なのだと謎がとけました。ちなみに私はカリグラフィーを勉強していますが作品用の紙がなかなかそろってないので困っています。特に キャンソンミタント にはなかなかお目にかかれなくて残念な思いをしています。神戸店においてください。(2007/11/05)

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長