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「売り場効率」より「フラットな売り場」
~釘1本も高額電動工具も同等です

  • 和田 けんじ

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2007年10月29日(月)

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 東急ハンズにとっては、「売り上げ」だけが目標ではありません。

 「提案」や「潜在的な重要の開拓」がそこに加わります。「とにかく売り上げが上がればいい」という売り上げ至上主義ではないのです。

 そのため、商品導入の際の判断基準においては、「その商品をお客様にお勧めしたいか」「そのライフスタイルの提案に必要か」が最優先されます。

 小売り店において、売り上げの見込める商品を仕入れることは、大原則でしょう。
 しかし、東急ハンズはこの絶対命題に縛られないのです。

 「確実に売れるであろう大定番品」より「認知度は低いかもしれないが品質の優れたもの」「全く知られていないが是非知ってほしいもの」を優先するのです。

 そのため、商品の価格にもこだわりません。
 例えば、東急ハンズの道工具・金物のコーナーには100円以下のネジ釘から5万円以上する電動工具までがずらりと並んでいます。

いわゆる「ホームセンター」とハンズは何が違う?

 ホームセンターなどでは、当然価格の高い電動工具がメインで、ネジ釘も揃えてはいても、代表的な数種類を並べているというところが多いでしょう。

 しかし東急ハンズでは、「お客様がご自宅で何かお作りになる際に必要なもの」という意味において、1本のネジも電動工具も全く変わりがないのです。安価な商品にスペースを割くことも、その基本的な考え方からすれば、なんら不思議なことではありません。

 是非、道工具・金物のコーナーを訪ねてみてほしいと思います。
 実に様々な工具が並んでいます。

 中には、「これは何に使うんだろう」とお思いになるものまであるはずです。金づち・ノコギリ・鉋(かんな)・のみ等の大工道具。ドライバー・レンチ・スパナ・ペンチ・プライヤー・ニッパー等の洋工具。そして、電動工具と、ビット・チャックキー等の周辺機材もあります。

 価格の高い・低いにかかわらず、必要と思われるものは、同じように並んでいます。

 また、金物のコーナーにもおびただしい種類のネジ釘がずらりと並んでいます。
 「こんなになくても、いいんじゃないの」とお思いになる方も、きっとたくさんいらっしゃるでしょう。

 しかしネジや釘などは、その使用目的や使う場所等によっていろいろなものが必要になってきます。そのため、できる限り多くの種類を揃えているのです。

 高くて数百円という商品であっても、必要だと思えば、売り上げ効率にとらわれずスペースを割くのです。

知名度なし、納期が不安、でも個性的

 また価格だけではなく、商品のネームバリューや常識的な売れ筋の傾向にもとらわれません。

 私は昨年(2006年)、秋・冬の防寒用品を担当しました。
 その中で、防寒用のキャップの品揃えの際、ネパール製の手作りの毛糸の帽子をメインにしました。

 この商品は、ネパールで一つひとつ手編みで作られています。つば付きのタイプとつばのないものがあり、全体がいかにも中アジアらしいエキゾチックな模様で覆われています。

 配色も、私たち日本人の感覚では思いつかないような大胆なもので、その模様とあいまって、かなり個性的なものでした。

 しかし、問題がありました。
 手編みのため一つひとつ柄や大きさが微妙に違い、ひとつとして同じものがありません。

 さらに厄介なことに、手作りですから、機械で作っているもののように、安定して入荷するかどうか分かりません。もし予想より売れた時、次の入荷の予定が判然としないのです。そうかといって、あらかじめ多めに仕入れた場合、冬が終わって残ったりするのも困るのです。手編みの毛糸の帽子を来年まで在庫にするわけにはいきません。

コメント3件コメント/レビュー

「成長しない経営」。ハンズは1999年から2007年まで、売上高が900億円程度で全く成長していない。非常に面白いと思う。なぜなら私は成長し続けることが企業の唯一のあり方だとは思っていないから。無理に成長するため大量仕入れをして商品個性を失うなど、そうしたデメリットを嫌うのであれば敢えて成長しないという姿勢もアリだと思う。ナイーブだと嗤うだろうか?確かにそういう方もいるだろう。しかし逆に問いたい、売上高と利益率だけで判断されるビジネスの何が楽しいのかと。しかし新博多駅ビル進出は規模拡大路線が透けて見える。「独特の文化」。ハンズが持っている独特のノリ、哲学、文化がどのように醸成されたのか。たとえば、全く無名だった頃のマザーハウスのジュートバッグを即決で入荷してしまう感性。3000人近い大企業ともなれば、もっと無機質になってもいいはず。組織が持つ感性・文化は簡単にはマネ出来ない。そのハンズ文化を作り、育んだのは誰か。「ビジネスロジック」。上記と矛盾するように聞こえるかも知れないが、会社を維持して行くためには利益が絶対に必要。経営を少しかじった者として、ハンズがどのようなマジックを使っているのか興味津々です。(2007/11/02)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「成長しない経営」。ハンズは1999年から2007年まで、売上高が900億円程度で全く成長していない。非常に面白いと思う。なぜなら私は成長し続けることが企業の唯一のあり方だとは思っていないから。無理に成長するため大量仕入れをして商品個性を失うなど、そうしたデメリットを嫌うのであれば敢えて成長しないという姿勢もアリだと思う。ナイーブだと嗤うだろうか?確かにそういう方もいるだろう。しかし逆に問いたい、売上高と利益率だけで判断されるビジネスの何が楽しいのかと。しかし新博多駅ビル進出は規模拡大路線が透けて見える。「独特の文化」。ハンズが持っている独特のノリ、哲学、文化がどのように醸成されたのか。たとえば、全く無名だった頃のマザーハウスのジュートバッグを即決で入荷してしまう感性。3000人近い大企業ともなれば、もっと無機質になってもいいはず。組織が持つ感性・文化は簡単にはマネ出来ない。そのハンズ文化を作り、育んだのは誰か。「ビジネスロジック」。上記と矛盾するように聞こえるかも知れないが、会社を維持して行くためには利益が絶対に必要。経営を少しかじった者として、ハンズがどのようなマジックを使っているのか興味津々です。(2007/11/02)

「今の東急ハンズはホームセンターと大差ない」というコメントが多いようですね。実は私の街にも東急ハンズが最近お目見えしました。けっこう期待していたのですが、実際行って見るとフロアが小さいせいか必要最低限の品物しか置いてないような感じでした。特に画材関連はほとんど全くと言っていいほど何も置いてありませんでした。(水彩絵の具と色鉛筆が数種類あるだけ)駅前には小さい画材店が1軒だけだったので期待していたのですががっかりしました。スペースの関係上、生活関連グッズを優先し画材は割愛したんでしょうが、何でも揃うというのなら、やはりある程度空間を確保しないと看板倒れになるという事を痛感したしだいです。(2007/10/29)

ビジネスロジック以前の問題として、ハンズが他のホームセンターや量販店と品揃えでも代わり映えしなくなっているのではないかという疑問にいかに答えるのかを首を長くしてまっています。(2007/10/29)

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