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あのM&Aは失敗か成功か

スカイプの買収では1500億円超の減損

  • 杉田 庸子

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2007年11月26日(月)

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 ここ数年、企業間のM&A(企業の合併・買収)が新聞の紙面を飾ることが日本でも日常茶飯事となった。ライブドア事件や米投資ファンドのスティール・パートナーズがブルドックソースに仕掛けたTOB(株式公開買い付け)など、一連の報道を通じて「敵対的買収」という言葉も当たり前のように聞かれるようになった。

 一方で、その巨額の資本の動きや経営陣の攻防が固唾をのんで見守られるのも買収が成立するまでで、合併後その企業がどのような成果を上げているかまでは、あまり話題にならないようだ。

 しかし、買収の成否は後日、財務諸表の上で顕著に表れることがある。合併から数年を経ずして営業権(のれん)の減損処理が発生した場合だ。営業権の減損処理は、そもそも高すぎる価格で買収した結果か、買収から期待していたような成果が得られていない場合に要求される会計処理である。

イーベイの「高いお買い物」

 この10月、米電子決済大手のイーベイは2年前に買収したルクセンブルクのIP電話会社スカイプに関わる営業権を減損し、2007年第3四半期決算(2007年9月)で13億9000万ドル(約1529億円、1ドル110円換算以下同じ)もの減損費用を計上した。営業権とは、買収金額と取得割合を考慮した買収企業の公正価値との差額のことで、要は「買収先の将来の収益力を期待して払ったプレミアム」のことだ。

 イーベイはスカイプを2005年に25億9000万ドル(2849億円)で買収し、その時点で計上した営業権は23億3000万ドル(2563億円)だった。当初かなり高い収益力を見込んで買収したわけだが、買収数年後、将来キャッシュフロー予測に基づいて事業の公正価値を検討し直したところ、結局60%以上の営業権を減損しなくてはならなくなった。

 これはもちろん、イーベイによる買収後、競合他社の追い上げもあってスカイプの利用が当初予想ほど伸びなかったことなどの市況の変化にもよるのだが、「そもそもオンラインオークションを主力事業とするイーベイがスカイプへの投資を行ったことにシナジー効果がなかったことの表れ」「冷静さを失った高い買い物だった」との批判の声も高い。2年もたたずして買収が失敗だったことを問われる結果となったということだ。

米国では最低年1回、のれんの減損処理の判定をする

 このような状況は特に珍しいわけではない。米国企業は、財務会計基準書第142号「営業権及びその他無形固定資産」に基づき、通常は年1回、及び減損の可能性を示す事象が生じた時点で減損の判定を行う。減損の可能性を示す事象とは、事業計画の修正や見込みの大幅な変更、あるいはマーケットの変動などで、マネジメントにより定期的に見直されることを義務づけられている。

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