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過剰な品揃えで商売が成り立った理由
~POSシステムよりヒトデシステム

  • 和田 けんじ

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2007年11月19日(月)

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 お客様に新しいライフスタイルや生活の価値観を提案し、さらには需要を開拓する東急ハンズ。そのために店頭には、幅広く専門的な商品が、過剰とも思える程並んでいます。

 その夥しい商品を見て、多くのかたが「こんなに大量の商品を抱えて、在庫過多や不良在庫の山にならないのかな」と思われるでしょう。これは、お客様のみならず、取引先の方々からもよくご指摘いただいたことです。

 「売れる」ということに固執せず、幅広く専門的な品揃えを徹底する。

 と、言葉で言うと耳障りが良いのですが、確実に「売れる」かどうかわからない商品をどんどん仕入れると、売れない商品が大量に残ってしまうのではないか?こうした疑問を感じるのは当然です。「きっと、東急ハンズには独自の精緻な商品管理システムがあるのでは?」そう思っているかたもいらっしゃるでしょう。

もちろんPOSはありますが…

 お答えしましょう。
 実は、特別なシステムなどないのです。

 もちろん、東急ハンズもPOS(Point of Sales 販売時点管理)システムを導入して、商品の単品管理をしています。しかし、それに依存した商品管理はしていないのです。

 東急ハンズの商品管理の根幹は、「マンパワー=人手」です。

 そもそも、商品を単品管理するシステムは、何のためにあるのでしょう? POSシステムの利点はどこでしょう?

 いくつもありますね。単品の売り上げ管理・在庫管理が簡単。商品の履歴(メーカー名・いつ仕入れたか等)を知ることができる等など。では、これらが企業にもたらしてくれるものは何か?

 簡単ですね。商品のことに詳しくない人でも、容易に発注をしたり、売り上げの動向を知ることができますし、今現在の在庫がすぐ分かる。だから、過剰な在庫になったり、逆に品切れを起こすことを防ぐのが可能になる。

 しかし東急ハンズでは、この便利なPOSにのみ頼った在庫管理をしません。

 POSシステムを導入することの最大のメリットは、在庫管理の利便性でしょう。単品の一つ一つにいたるまで、売り上げ数や現在庫まですぐにわかるのですから、過剰な在庫や品切れによる機会損失を防ぐためには、大いに有効です。

 POSシステムを最も有効に生かしているのは、コンビニではないでしょうか。常に安定した売り上げの商品を効率良く在庫する、これはコンビニの大命題です。ここには、コスト競争のツールとしてのPOSの存在価値があります。

 「必要なものを、必要なだけ」という狙いです。

仕入れた人が売り場で見ている、聞いている

 しかしこうした考え方には、デメリットもあります。それは、品揃えや在庫量が、「最大公約数」的なものに陥ってしまうということです。これは、「非(アンチ)東急ハンズ的考え方」です。

 東急ハンズは、「売れ筋」に固執せず、お勧めしたい商品や、お客様のご要望を反映させた、固定観念にとらわれない独自の品揃えを実現に努力してきました。

 もちろん、個々の商品によって適正在庫は大きく違います。1日何十個も売れる商品もあれば、1カ月に1個程度しか売れない商品もあるのです。さらには、その売り上げの動向も日々変化していきます。

 経験から言えば、「売れた数字」だけPOSのデータで見ていても、細かい変化は実は把握できません。しかし、店頭での業務の中で、商品に触れたり、棚に戻したりするお客様の様子や、直接いただく様々な情報や声によって、本当の動きが分かってくるのです。「そろそろ売れそうだな」という、予想すら可能になってきます。

 まして、商品はその棚を仕切る従業員が仕入れることを決めた商品です。

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