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第20話 「つまり、この工場は十分な価値を作り出してはいない」

2007年11月28日(水)

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◎前号までのあらすじ



達也は、ジェピー内部で行われている2つの不正取引を間中専務に告発した。間中は達也の功績を称える一方で、達也を本社から遠ざけるため、愛知工場への転勤を命じた。愛知工場長は、数々の特許を申請した元技術者の三沢である。三沢は社長や間中に何度も工場の改善策を提案していたが、ことごとく反故にされてきたという。

工場の実態

 翌朝、達也が7時に出社すると、三沢はすでに工場長室で書類に目を通していた。

 「こんなに早いのですか?」
 達也は驚いた。冠婚葬祭要員のはずの工場長がこんなに早く出社して何をしているのだろう。

 「団君、これが工場のレイアウトだ」と言って、三沢は手書きの見取り図を達也に見せた。
 「これが材料倉庫と製品倉庫だ。それから工場には10のラインがあって、コネクターと可変抵抗器がそれぞれ4ライン。残りの2つがマイクロスイッチの製造ラインだ」

 それから、コネクターは配線を接続するために用いられる部品であること、可変抵抗器は手動による操作で電気抵抗を変化させる電子部品であること、小型マイクロスイッチ回路はONとOFFを切り替える部品であり、どれも携帯電話をはじめとした電子機器に使われていると、三沢は達也に説明した。

 「先代の社長はスイッチの開発に命を懸けていたんだ。私も徹夜の連続で開発に取り組んだものだよ」

 木内が言っていた特許権はこのスイッチに関する発明に違いない、と達也は思った。しかし、特許を持っているにもかかわらず、スイッチの製造ラインは2ラインしかない。

 (スイッチは儲からないのだろう…)と、達也は考えた。そして、儲かる可変抵抗器とコネクターに投資したに違いない。

 「君はもう承知していると思うが、ジェピーはパテント収入でどうにか存続している会社だ。つまり、この工場は十分な価値を作り出してはいない」

 「価値を作り出していない…?」
 達也はその意味が理解できなかった。工場は製品を作る場所だ。ところが三沢は、工場とは価値を作る場所だと言う。

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「第20話 「つまり、この工場は十分な価値を作り出してはいない」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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