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ハンズは「素人の、素人による、お客様のための店」

  • 和田 けんじ

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2007年11月26日(月)

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 そもそも「東急ハンズ」は、どのようにして生まれたのでしょうか。私は開業時には在籍していなかったのですが、就職前からファンでしたから「この面白い店はどうやって出来上がったのだろう」と、いつも気になっていました。なのでハンズに入った後は、「しめた!」とばかり、当時を知る人に根ほり葉ほり聞いてまわったものです。

 始まりは1972年(昭和47年)現在の渋谷店の土地を、東急不動産が取得したことでした。

 当時の渋谷駅周辺は、1967年(昭和42年)に東急百貨店本店、68年(同43年)西武百貨店、69年(同44年)渋谷東急プラザ、73年(同48年)パルコと、続々と商業施設が進出し、新しい人の流れが出来ていました。

しかし、現在の渋谷店のある宇田川町周辺は、それら新しくて、おしゃれな店舗と公園等の「間」にあり、ただ通る場所と言ってもいいような場所でした。さらに、取得の翌年には「オイルショック」が発生。消費者物価は高騰し、政府は金融引き締めを強化します。

 そんな不動産業にとっても厳しい状況の中、東急不動産はこの宇田川町の土地を自社で有効活用することを決断します。様々なアイデアが出され、最終的に渋谷駅周辺の商業施設の出店ラッシュにより、人の流れが変わってきていることを受け、物販店舗の構想が浮上します。

 どういう店舗にすべきかと検討が重ねられた結果、不動産会社らしく「住宅関連商品を中心とした販売店」と決定されました。

そして、渋谷店に先立ち、藤沢でプロトタイプとして先行して店舗を開店することとし、その開店準備には東急不動産の従業員があたることになりました。

 ここに、「東急ハンズの構想」が誕生します。

実際に「東急ハンズ」ができるまでの道のりは、正に苦難の連続だったようです。そもそも、不動産会社の従業員が、小売店を立ち上げるのです。かなり無謀なことです。

 「何を売るか」、「どう売るか」、「商品をどこから仕入れるか」、と、解決すべき課題は山のようにありました。

「何が売れるか分からない」から「幅広く」

 「何を売るか」については、住宅関連商品ということから、アメリカにあるホームセンターが参考にされ、実際に流通業全般の視察に行っています。その経験のなかから、自らの手で何かを作るという考えかたのDIY(Do It Yourself)、生活の改善をテーマにしたHI(Home Improvement)という概念が取り入れられ、日曜大工の道具やその材料、生活雑貨などを売ろうということになりました。

 関連して、手芸や趣味に関する商品・インテリア関連用品・園芸用品などが、取扱品目のリストに加えられていきました。

 さらに、アメリカのホームセンターや、すでに日本でも出来つつあったDIYショップと一線を画すために、「一般の方向けのもの」から「プロの方にも使っていただけるもの」まで、徹底した品揃えをすることにしました。

 ここには、小売りの経験がなく、「何が売れるかわからない」ため、幅広い品揃えをして、お客様の趣向をつかみたいという考えもあったでしょう。

 「素人」という欠点が、「個性」という武器になったことのひとつです。そして、小売りの素人ならではの発想が貫かれたもうひとつが、売り方です。

 「幅広く徹底した品揃え」の方針が決まったとき、「どう売るか」も決まりました。専門的な知識を必要とする商品を扱うのですから、お客様に十分にご説明をする必要があります。

 ならば、従業員によるコンサルティングを重視し、お客様からのご相談に応じ、商品の使い方や気をつけるべき点などを十分にご説明せねばならない。こうして「売るため」ではなく、きちんと説明することを最優先するスタイルが生まれます。そして「お客様のご要望に徹底してお応えする」という、今も続く東急ハンズの理念の原型となりました。

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