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第21話 「不思議なことに、この工場は黒字なんだそうです」

2007年12月5日(水)

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◎前号までのあらすじ



達也は間中専務から転勤を命じられ、愛知工場の副工場長に就任した。なぜか愛知工場は、単価の低いコネクターと可変抵抗器の生産に力を入れ、競争力が高く単価の高いマイクロスイッチは積極的に生産しようとしない。しかも、そのスイッチを開発した三沢工場長は間中によって実権を取り上げられ、閑職に追いやられていた。

 達也が工場長室を出ると、木内が待ちかまえていたかのようにやってきて、達也を副工場長室に案内した。それは名ばかりの個室で、書類と壊れたパソコンが所狭しと置かれていた。

 「副工場長の席は、私の隣のはずだったのですが、たった今、東京に行ってる製造部長から電話があって、この部屋を副工場長室にするように言われたものですから…」
 木内は申し訳ないといった表情を浮かべて事情を伝えた。

 (これはないぜ…)

 「製造部長は本社にはよく行かれるのですか」
 達也が聞いた。

 「週のうち、豊橋が3日、東京2日位でしょうかね。まあ豊橋が3日と言っても週一のゴルフは欠かしませんけど」
「ウィークデーにゴルフですか?」
「ゴルフも大切な仕事だそうです」と、木内が皮肉っぽく言った。

 「製造部長が3日も不在で大丈夫ですか?」

 達也は、3日も不在で工場経営ができるはずがないと思った。

 「金曜日に翌週の予定を指示して、あとはガミガミ叱り飛ばすだけです。日常の仕事は10台ある機械ごとの責任者が判断して進めています。それぞれがミニプロフィットセンターになっているんです」

 達也は仰天した。この工場で「ミニプロフィット」などという管理会計の専門用語を聞くとは、思ってもいなかったからだ。

 工場では、機械ごとに売り上げ目標だけでなく利益目標も設定し、工場全体を管理しようとしているのだ。おそらく間中専務のアイデアに違いない、と達也は思った。

 「石川部長は、ミニプロフィットセンターごとに利益が分かれば工場にいる必要はないって言うんです。そんなに簡単に工場経営なんてできないと思うのですが…」
 木内は達也に訴えかけるように言った。

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「第21話 「不思議なことに、この工場は黒字なんだそうです」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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