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表に出せない取引も表に出る (上)

関連当事者の情報開示、2009年3月期から強制適用

  • 松尾 絹代

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2007年11月29日(木)

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 贈収賄容疑に発展した守屋武昌・前防衛事務次官をめぐる過剰接待問題。この件に関しては、現時点で不正の全容解明には至っていないものの、裏金作りは一方の当事者である防衛専門商社「山田洋行」の米国現地法人のCEO(最高経営責任者)が設立したペーパーカンパニーを舞台に行われた、とされている。ペーパーカンパニーを取引に介在させて得た仲介手数料の大半が、裏金として処理された、との証言もあるようだ。

 裏金作りやマネーロンダリング(資金洗浄)などの、不正な操作に、実態のない会社をかませるのは、典型的な手法といえる。だが、こうしたペーパーカンパニーを使った操作は、来年からやりにくくなるかもしれない。

 2006年10月に日本の会計基準を設定する企業会計基準委員会(ASBJ)が公表した「関連当事者の開示に関する会計基準」が2009年3月期から強制適用となるからだ。仮に山田洋行が上場会社で、新基準が適用されていたとしたら、恐らく、ペーパーカンパニーに仲介手数料を稼がせるのは、困難だったと見られる。

 というのも山田洋行の決算書で、米国の現地法人とペーパーカンパニーの間で行われた取引を、取引の種類ごとに区分し、さらに個々の取引について、投資家保護の観点から、手数料などの取引条件を分かりやすく表記しなくてはならなかったからだ。

 仮にこのペーパーカンパニーに支払っていた仲介手数料が、他の同様の取引に比べて高水準の場合、決算書には、「同社との取引は、一般の条件よりも高い価格で実施しました」と分かる形で公開しなくてはならなくなる。米国法人とこのペーパーカンパニーの取引条件が、利害関係のない第三者と異なる場合には、その違いを分かるように記載しなければならないからだ。

 日本では、関連当事者との取引の開示をこれまでも実施してきたが、それは会計基準としてではなく、証券取引法(現在は金融商品取引法)の規定に基づいて行われていた。その点で日本の会計制度は、国際会計基準や米国基準と異なっていた。だが、日本でも2009年3月期決算から会計基準として関連当事者の情報開示が義務づけられることになった。この点で、ようやく日本も欧米の会計基準と肩を並べることになる。

 新設された関連当事者に関する会計基準では、これまでに比べて開示しなければいけない情報量が増加する。例えば冒頭のケースを例にすれば、従来は、自らが直接取引の当事者にならずに、子会社である米国法人を取引の当事者としてしまえば開示の対象外だった。しかし、新基準では説明したように、子会社の取引も取引条件も含めて記載する必要がある。

 このように新しい基準は、これまでと比べて、大きく内容が変わる。その内容について詳しく説明する前に、そもそも「関連当事者」とは何なのか、なぜ当事者の存在だけではなく取引の内容まで開示しなくてはならないのかを、触れてみたい。

関連当事者は、関連会社だけではない

 関連当事者とは、会社の財務または業務に関わる意思決定に重要な影響力を持つ法人及び個人の総称だ。その法人及び個人は会社から重要な影響力を受けるだけでなく、与える場合も該当する。

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