• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第23話 「君は、在庫の実地棚卸しをしたことはあるかな」

2007年12月19日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

◎前号までのあらすじ

達也は間中専務から転勤を命じられ、愛知工場の副工場長に就任した。工場長の三沢は元々優秀な技術者で、商品競争力のある高機能「スイッチ」の発明者でもあった。しかし愛知工場はスイッチを積極的に生産しようとしない。それだけでなく、三沢は間中によって閑職に追いやられていた。三沢に工場を案内された達也は、ズラリと並ぶロボットを目にした。その時、三沢が声を荒げて独り言を言った。「ロボットなんかに頼っているからダメなんだ」。

 三沢の言葉に達也は耳を疑った。

 それから、ぐるりと工場を見渡すと、10台のロボットが整然と設置されていて、数人の作業者が機械を調節したり、材料をセットしたり、とせわしく動いている姿が見えた。

 よく見ると、コネクターと可変抵抗器を作るロボットのうち動いているのは、それぞれ2台だけだった。つまり、半分のロボットは止まったままなのだ。

 「なぜ動いていないのですか」
 達也は三沢に聞いた。

 「注文がないか、故障しているかだろうね」

 (注文がない…?)

 達也は違和感を覚えた。決算書にはかなりの額の外注加工費が載っていたからだ。
 「でも、協力会社に外注しているんですよね」
 「団君、ここにあるロボットで、受注したすべてのコネクターやスイッチを作れるわけではないんだよ」と、三沢は力を込めて言った。

 「故障は頻繁に起こるのですか?」
 達也は故障のことも気にかかった。

 「実はね。スイッチのロボットは愛知工場で製作している。だが、ほかは外部の会社に発注している」

 達也には三沢の言う意味が分からなかった。ロボットを社内で作るのと、別会社で作るのとでは、何が違うのか。内部で作ればお金は外へは出ていかない。しかし、外部に発注すれば結構な額の現金が出ていってしまう

 (それだけだろうか…?)と、達也は考えた。

 そこに、眠たそうな目をした男がやってきて達也にお辞儀をした。
 「技術部の金子といいます」
 男は、自己紹介が終わるとあくびをかみ殺した。

 「彼は地元の国立大学を出たエンジニアでね、ロボットを作る天才だよ」
 三沢は金子を褒めた。

 「スイッチのロボットはすべて金子君が作ったんだ。しかし、ほかは、蓬莱エンジニアリングという会社に発注している」
 「なぜ、自社で作らないのですか?」
 達也はその理由を三沢に聞いた。

「「熱血!会計物語 ~経理課長、団達也が行く」」のバックナンバー

一覧

「第23話 「君は、在庫の実地棚卸しをしたことはあるかな」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員