今年11月に行われる米国の大統領選挙。ワークライフバランス関連政策について、候補者の考えを問うアンケートの結果が昨年12月27日に公表された。NPO(非営利活動法人)のTake Care Net(TCN)が、共和党・民主党の大統領候補12人に、公的育児支援や教育予算の拡充、柔軟な勤務体系の推進など15の政策について賛否を尋ねた(注1)。
ヒラリー・クリントン氏やバラク・オバマ氏など5人の民主党候補者はこのアンケートに回答し、政府の育児支援拡充におおむね賛成した。一方、ルディ・ジュリアーニ氏など共和党の有力候補者は、調査票を受け取った5人全員が、アンケートに回答すらしなかった。
TCNはペンシルベニア州立大学のロバート・ドレーゴ教授が会長を務め、会員やアドバイザーにはマサチューセッツ工科大学、コーネル大学など一流大学の研究者が名を連ねる超党派の組織である。アンケート送付から結果公表まで2カ月もあったことを見ると、共和党候補者が育児支援に消極的であることが見て取れる。
これは、日本人の筆者から見ても予想通りの結果であった。政治的にリベラルな人は育児支援に肯定的で、保守的な人は否定的。…日本にも当てはまる構図である。
ところで6歳以下の子供を持つ共働き家庭を比較すると、米国男性は日本男性の約4倍の時間を家事育児に費やしている(注2)。なぜ米国男性は日本男性と比べて、家庭参加に積極的なのか。その理由を調べるため一昨年夏に渡米した際、筆者はこう予想していた。「米国男性の方が、日本人男性より“進歩的”だからではないか」。
この予想は、一部の米国男性については当てはまった。インタビューをすると、家事育児の半分を当然のこととして分担する夫が少なくなかった。特に30〜40代男性は「僕らの世代には、高学歴でキャリアを持つ女性が多い。そういう相手と結婚して共働きになったら、男も家事や育児をするのは当たり前だ」と口を揃える。イメージ通りの進歩的な男性だった。
ところがさらに詳しく調べてみると、米国男性が家事育児をする理由は進歩的な態度の表れだけでないことが分かってきた。経済的な要素が見逃せないのである。
注1:アンケート結果はTCNのウェブサイトトップページにある"Presidential Work-Family Survey: Press Release, and Summary of Results, December 27, 2007"をクリックすると読める。
注2:永井暁子、『社会生活基本調査から見たワーク・ライフ・バランスの実態』、「統計」2006年7月号、pp.28-34
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