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第27話 「棚卸しは完璧です」

2008年1月30日(水)

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◎前号までのあらすじ


 達也は間中専務から転勤を命じられ、愛知工場の副工場長に就任した。出迎えてくれたのは、間中によって実権を奪われていた工場長の三沢だ。三沢に工場を案内してもらうと、動かないロボットがずらりと並んでいる。また、倉庫には大量の製品在庫が山と積まれていた。


 工場では棚卸しの数日前から、三沢の予言通り不可解な出来事が次々と起き始めた。達也はそこに粉飾の気配を感じた。棚卸し前日、若手社員の木内が達也を急かすように言った。「副工場長、製造現場ですごいことが起きてますよ」

 木内は達也をロボットが並ぶ製造工程に案内した。そこでは作業者たちが、昨夜から今朝にかけて倉庫から運び込まれたと思われる部品を、声を出しながらカウントしていた。

 部品にはタグが張られていて、そこには品名と数量が記入されていた。すでに、実地棚卸しは始まっていたのだ。

 「実地棚卸しは明日ですよね?」
 「公認会計士が来る前に、カウントを済ませてしまうつもりなんです」
 「でも、会計士が立ち会う目的は、実際の棚卸しが実施要領通り整然と行われていることを確かめるためではありませんか?」

 達也は、昔勉強した監査論を思い浮かべた。

 実地棚卸しは、実際の在庫数量を決算数値に反映させるための重要な手続きだ。数量を水増しすれば、その分、利益は多く計算されてしまう。

 単に数量をカウントすればいいというものではない。まず棚卸しの準備が必要だ。
 例えば、材料と仕掛品と製品、そして取引先の在庫を、あらかじめ分けておく必要がある。動いている在庫はカウントできないから、機械を止め、入出庫作業をストップさせておく。

 棚卸しは通常2人が一組になり、複数のチームで一気に行う。1人は実際に数量をカウントし、もう1人がタグ(現品票)に品名と数量を書き込むのだ。カウント漏れや二重カウントを防止することが肝心だ。

 材料を例に取ると、倉庫の棚にある部品を実際にカウントして、その品名と数量をタグに書き込み、現品に添付する。仕掛品は品名と数量のほかに、どの工程にある在庫かを記入する。作業を始めたばかりの段階と、完成間近の段階の仕掛品では加工費が全く違うからだ。

「「熱血!会計物語 ~経理課長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第27話 「棚卸しは完璧です」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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