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是非の判断は、シェアから経済価値に

  • 石垣 浩晶

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2008年2月6日(水)

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 米系投資ファンド、スティール・パートナーズによってTOB(株式公開買い付け)された明星食品に対して、日清食品が白馬の騎士として明星食品の株式を取得したことを覚えている読者も多いことだろう。このM&A(企業の合併・買収)は、会社は誰のものかという視点から世間の注目を浴びていたが、実は独占禁止法の運用の観点でも注目すべき案件だった。

 独占禁止法は、カルテルや談合といった明らかに競争と矛盾する行為を規制するだけでなく、企業の立場から見るとシナジー効果により競争を促進するように見えるM&Aについても、M&Aによってある製品の市場シェアが高まり独占状態になる場合、規制の対象としている。

 日清と明星の件では、両社の主力商品であるカップヌードルやチャルメラに代表される「即席めん」で、一体化した両社の市場シェアが著しく高まる。そのため専門家の間では、日清が明星の株式の過半を取得することについて、独占禁止法違反となり規制される、という見方が出ていた。

 ところが、いざふたを開けると、公正取引委員会はこの買収を認可した。認可した背景には、即席めんの市場は競争がカップめん以外にも、例えばめん入りカップスープやチルドめんなども存在し、両社が一体化しても、即席めん分野で独占するのは困難と判断したためだ。

一体化した両社の市場シェア

 公取委の判断の背景には、M&Aの可否を、同じ製品分野の市場シェアだけから見るのではなく、めん類市場全般の価格や販売量のデータを用いて、カップめんやチルドめんなど様々な製品の競争関係を定量的にとらえ、「即席めん」の市場を画定した結果と言えるだろう。

判断基準が変化

 日本における近年までの公正取引委員会による企業合併の規制は、合併企業の市場シェアや市場集中度(参加企業数が少ないと市場シェアが特定の企業に集中してしまい市場集中度は高くなる)などの産業の競争状況を表す指標のみで機械的な判断が行われる傾向があった。

 しかし、2004年度に公取委が、M&Aなどの企業結合に関する独禁法の運用指針である「企業結合ガイドライン」を改定したのをきっかけとして、近年は欧米の独占禁止法規制との整合性を意識して、合併事案の個別の事情を考慮した柔軟な対応を行うようになっている。

 公正取引委員会発表の過去の企業結合審査の実績を見てみると、合併企業の合算市場シェアや市場集中度が高いにもかかわらず、規制されている割合が大幅に低下している。また、企業合併が規制される傾向も低下している。

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