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過剰規制を受けないための審査対策

  • 石垣 浩晶

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2008年2月15日(金)

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 米マイクロソフトによる買収提案に、米ヤフーは拒否する姿勢を明らかにした。これに対してマイクロソフトは改めて買収実現を目指す姿勢を崩していない。ヤフーが買収価格を問題にしていることから価格の引き上げや、TOB(株式公開買い付け)に発展する可能性もあり、予断を許さない状況にある。

 現時点では当事者の距離はややあるようだが、仮にその差が縮まり両者が一緒になる方向で話が進んだ時に、次なる壁は本国の米国のみならず欧州や日本など世界各地で独占禁止法上の論争を巻き起こすことは間違いない。

 マイクロソフトは、ヤフーや米グーグルのように検索サービスの分野では有力なプレーヤーとは言えないが、OS(基本ソフト)では周知のように独占的な地位を世界的に占めている。マイクロソフトは過去に米司法当局からOSとブラウザーの「インターネットエクスプローラー」やメディア再生ソフトの「ウィンドウズ・メディア・プレーヤー」との抱き合わせが問題視されてきたことがある。

 ヤフー買収でウィンドウズ上のネット検索でヤフーのサービスが優先的に選ばれるようにするなど、マイクロソフトによるポータル・検索サイトの独占化が懸念される。今やマイクロソフトにとって最大のライバルとも言えるグーグルが当初、ヤフーにマイクロソフトからの買収防衛で協力を申し出たとされるのも、そうした懸念が背景にあると思われる。

 これまで相手を打ちのめすべくしのぎを削って対立してきた3社が突如として、深謀遠慮を働かせ友好関係を結ぶ姿は、日本の戦国時代さながらの構図だ。しかし、戦国時代と異なるのは、当事者の決断だけで勢力図を変えられず、競争当局というお上の裁断を待たなくてはならないことだ。

世界共通のプロセス

日本の合併審査のプロセス

 仮にマイクロソフトとヤフーが合意した場合、この案件が独占禁止法に抵触しないことを競争当局に立証しなくてはならない。競争当局はこのような世間の耳目を集めるような企業買収に限らず、一定の売り上げ規模や資産規模があるような企業合併については、競争を制限する可能性について緻密な審査を行っている。その合併審査プロセスはほぼ世界共通である。

 競争当局による合併審査は、まず合併当事者からのみの情報に基づいて行う第1次審査がある。この第1次審査で独禁法違反かどうか結論を出せない場合に、当事者に加えて競争業者や顧客からの情報にも基づいて判断するための第2次審査が行われる。

 日本の場合、合併審査のほとんどは、企業が合併を公正取引員会に正式に届け出する前に独占禁止法違反になるのかならないのかを、公取委が判断する事前相談制度(Prior Consultation)の枠組みで行われている。この制度は正式な合併届出をした後に合併が規制され、企業が時間や労力を無駄にしないように企業側の事情を考慮して提供している行政サービスだ。一方、欧米では正式に合併を当局に届けた後に審査に入る。合併審査が正式な届出の前か後という違いはあるが、2段階で審査をするというプロセスなど大枠では同じである。

 2段階審査の過程は次のようになる。例えば、マイクロソフトがヤフーを買収した場合、競争当局は第1次審査として両社から事業概要、顧客・価格・販売数量などの取引内容、技術開発、提携関係などについて聴取及び書面などによる情報の請求を実施し、これらの内容に基づいて買収による競争への影響を分析する。仮に今回が買収に発展した場合、マイクロソフトとヤフーが関わる多くの分野における競争状況を検討する必要があるため、第1次審査だけでなく第2次審査に移行する可能性は極めて高い。

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