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そのチームワークは、なぜ機能しないのか

三巻由希子IBMビジネスコンサルティングサービス
パートナー執行役員に聞く

2008年2月19日(火)

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 バブル経済の崩壊後、年齢に関係なく社員一人ひとりの業績に基づいて処遇を決める成果主義型の人事制度を日本企業の多くが取り入れた。しかし、それによって人事制度の面で欧米のグローバル企業と肩を並べたと思うのは幻想に過ぎない。彼らは早くも次のステージへと進んでいる。

 人事制度における彼我の差はどれだけあるのか。米IBMの調査結果を基に解き明かしてもらった。

(本誌による要約 日経ビジネス 中野目 純一)

ibmmimaki

三巻 由希子(みつまき ゆきこ)氏

上智大学外国語学部卒業。大手銀行を経て米コロンビア大学経営大学院にてMBA(経営学修士号)を取得。1995年プライスウォーターハウスコンサルタント(現IBMビジネスコンサルティングサービス)に入社。金融や流通業界を中心に戦略の策定、組織・人事関連プロジェクトに従事する。2004年人事部長、2007年からヒューマンキャピタルマネジメントサービス担当のパートナー執行役員

 日本企業の人材マネジメントは、世界の潮流からかけ離れている──。

 IBMが行った「Global Human Capital Study 2008」と題する調査から、こうした実情が浮かび上がりました。調査は昨年の3月から5月にかけて、世界約40カ国の400社以上の人事担当者にインタビューした結果をまとめたものです。日本では37社の人事担当者に協力いただきました。

 企業の人事担当者に尋ねたのは、今日のビジネス環境において競争力を高めるためにどのような人材マネジメントを行っているか。回答結果からは、人材マネジメントの様々な点で世界全体と日本の企業の回答が大きく違っていることが浮き彫りになりました。

従業員の変化への対応力が著しく低い

 まず変化への適応力について、「変化に対する従業員の適応力」が非常に高いと答えたのは回答企業全体の14%でした。この回答を日本企業に限ってみると、37社のうちゼロで、反対に「適応能力に乏しい」という答えは、世界全体が3%なのに対して日本企業は14%と高い結果となりました。

従業員の変化適応性

 世界全体と比べても変化に対する従業員の適応能力が低いと考える日本企業が多い理由を探ると、重要なスキルを持つ社員や特定分野の専門知識を持つ専門家が社内のどこにいるかを把握する点で大きな違いが見つかりました。

 例えば、専門家を特定する手段として、日本企業の7割が「(社員の)職務履歴データベース」と答えている。他方、グローバル企業で一般的に使われている「スキルデータベース」を挙げたのは、世界全体が38%に対して日本企業は27%にとどまっています。

人材を活用する手段

 社内で何らかのチームを組む時にメンバーにふさわしい人がどの部署にいるかを探してくれる機能を持つ「ヘルプデスク」という部署を人事部門以外に持っているかどうか。この点に至っては、世界全体が20%に対して日本企業はわずか3%です。

変化の適応力を高める3つの対策

 調査の結果から、従業員の変化への適応力を高めるためには3つの対策が考えられます。

 まずはビジネスについて複数のシナリオを構想し、それぞれのシナリオで必要となるスキルをいち早く予測する。そして社内にどのようなスキルを持つ人がいるのかを可視化する。それを社員の採用や育成といった人事施策につなげていく。こうした取り組みを人事部門だけでなく個々の職場と一体となってフォーマルな形のプロセスにまで仕立てる。これが第1の対策です。

 第2の対策は、スキルデータベースを構築したりして社内のどの部署にどんな専門家がいるかを把握することです。つまり、社員のスキル管理をするわけです。この点で先進的な企業は、スキル管理にとどまらず、例えば社員個人のウェブページといったものを利用して、社内における人脈を国や地域を超えて広げることを促進しています。

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「ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに」のバックナンバー

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「そのチームワークは、なぜ機能しないのか」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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