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第30話 「おい、何を盗み聞きしている」

2008年2月20日(水)

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◎前号までのあらすじ


 達也は間中専務から転勤を命じられ、愛知工場の副工場長に就任した。出迎えてくれたのは、間中によって実権を奪われていた工場長の三沢だ。


 工場では棚卸しの数日前から、三沢の予言通り不可解な出来事が次々と起き始めた。達也はそこに粉飾の気配を感じた。棚卸し当日、公認会計士が立ち会いにやって来た。病気の今川の代理として急遽やって来たのは西郷だ。しかし、西郷が立ち会うはずの在庫数量カウントは、すでに1日前に終わってしまっていた。

丸の内本社

 「細谷君。もうじき決算作業で忙しくなるから、明日あたり有給を取ったらどうかね」

 あの一件(第16話参照)以来、斑目は真理に優しくなった。優しくなったのは斑目だけではない。専務の間中までが、真理に声をかけてくる。
 「君たちの働きでわが社もウミが取れたよ。礼を言わなくてはね」と、真理を褒めちぎるのだ。

 だが、事態は一向に変わっていない。
 仕入先と結託して代金を着服した井上は、いまだに子会社で仕入れを担当している。それから、循環取引を画策し、多額の損失を招いた石田は、依然として営業部長のままだ。結局、2人は解雇されなかったのだ。

 2人の仮装取引を見抜けなかった経理部長の斑目もおとがめなしだ。日に何度も、間中専務と電話で話し合っている。大声で話すから、専務との会話の中身は筒抜けなのだ。
 そして、沢口萌は、何事もなかったように相変わらず朝早く出勤し、机をピカピカに磨いている。

 達也と真理は会社のためを思って不正を暴き、首謀者を見つけた。ところが、あの一連の事件で一番貢献したはずの団課長が、実質的に左遷になってしまった。そして、自分は相変わらず経理の入金担当だ。

 つまり、割を食ったのは団課長と自分だった、ということだ。愛知工場は伏魔殿だと聞かされていたが、ジェピーそのものが伏魔殿なのだ。
 真理は「専務や部長におだてられても絶対に迎合はしない」と心に誓った。そして、達也からの連絡をじっと待った。

 事態が大きく変わったのは、棚卸しの翌日のことだった。いつものように間中と電話で話していた斑目が、突然大声を張り上げた。

 「また、あいつがしでかしましたか!」

 伝票をパソコンに入力していた真理は、指を止めて斑目の声に神経を集中させた。

「「熱血!会計物語 ~経理課長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第30話 「おい、何を盗み聞きしている」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 英エコノミスト誌元編集長