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部下と張り合うようでは上司失格

リンダ・ヒル
米ハーバード大学経営大学院教授に聞く

2008年2月21日(木)

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 日本企業で成果主義型の人事評価制度の導入が進んだ結果、多くの管理職が自身の個人業績の向上と部下の管理・育成を同時にこなす「プレーイングマネジャー」であることを求められるようになっている。

 しかし、2つの異なる役割を両立できず、業績の達成を優先して部下の管理・育成を疎かにしてしまうことが少なくない。その結果、部署全体の業績が低下してしまうという悪循環に陥っている。

 このジレンマを克服するにはどうすべきなのか。同じ問題にいち早く直面した米国で管理職のあり方を研究しているリンダ・ヒル教授に問題解決への方策を語ってもらった。

(本誌による要約 日経ビジネス 中野目 純一)


リンダ・ヒル(Linda A. Hill)氏

米ハーバード大学経営大学院教授。専門は組織行動論。大学院の学生を教える傍ら、リーダーシップの育成などについてのコンサルティングを企業に行っている。コンサルティング先にはGE(ゼネラル・エレクトリック)やIBM、モルガン・スタンレーなど米国を代表する企業が名を連ねる。米シカゴ大学で行動科学の博士号を取得。


(写真:都築 雅人)

 「プレーイングマネジャー」の役割を求められている管理職のことを米国では「プロデューサー兼マネジャー」と呼んでいます。それは誰にとっても難しい役回りです。

 何年か前に管理職にプレーヤーとしての役割を断念させた方がいいのか、それとも続けさせた方がいいのかを調査したことがあります。どちらがいいのか、明確な答えを得ることはできませんでした。ただし次のようなことははっきりと言えます。

 管理職がプレーヤーとしての役割をあきらめた場合、ビジネスの感覚が失われます。顧客の関心が何にあるのかが分からなくなるという代償がある。半面、管理している部下との競争から解放されるという利点もあります。つまり、メリットとデメリットの両方があるわけです。

 一方、プレーヤーとしての役割を続けさせた場合、管理職はプレーヤーとマネジャーのどちらかの役割を放棄してしまうことが多い。なぜなら重い負担に押しつぶされてしまうからです。

 プレーヤーとマネジャーのどちらの役割を疎かにするかというと、後者の方が多い。もともと彼らはプレーヤーになりたくて入社してきます。多くの人はプレーヤーのままでいたいと思っていて、嫌々ながらマネジャーやリーダーになることが少なくありません。

 人はプレッシャーを感じたり、ひどく疲れたりした時には楽な方へと向かうものです。それがプレーイングマネジャーの場合にどちらかといったら、慣れ親しんできたプレーヤーの役割であるわけです。多くの場合、そちらの方がよく知っていて得意でもあるのですから。

企業の対応にこそ根本的な問題がある

 もっとも、管理職の本来の職務であるマネジャーの役割を放り出したからといって、当事者個人の責任ばかりを問えばいいわけではありません。なぜなら、マネジャーという新たな職責を担う前に、そのためのトレーニングやサポートを企業が与えていないことが多いからです。

 管理職になる際には、自分の役割が何かについて、見方を根本的に転換しなければならない。例えば、仕事から満足感を得る方法を変える必要がある。マネジャーとして味わう満足感はプレーヤーのそれとは異質のものだからです。

コメント11件コメント/レビュー

私もプレイングマネジャーで部下1人です。リンダ・ヒルさんの4つのポイントは本当にその通りだと実感しています。私の会社は特にネットワーキング能力が求められるため、自分でネットワークを広げる際にはできるだけ部下にも同行してもらい、彼にも同時に人脈をひろげてもらって一石二鳥をはかるようにして時間の節約と育成を行っています。上司の苦労や政治的な難しさも共有できるのも利点だと思います。部下が多い場合には基本的にまかせますが、機会を均等にいろいろな実体験を一緒にしていきたいと考えています。(2008/02/25)

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「部下と張り合うようでは上司失格」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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私もプレイングマネジャーで部下1人です。リンダ・ヒルさんの4つのポイントは本当にその通りだと実感しています。私の会社は特にネットワーキング能力が求められるため、自分でネットワークを広げる際にはできるだけ部下にも同行してもらい、彼にも同時に人脈をひろげてもらって一石二鳥をはかるようにして時間の節約と育成を行っています。上司の苦労や政治的な難しさも共有できるのも利点だと思います。部下が多い場合には基本的にまかせますが、機会を均等にいろいろな実体験を一緒にしていきたいと考えています。(2008/02/25)

どのような単位で行動していても、全体最適は必ず指標として持たなければ成らないもので、しかも、過去を除く全ての時間軸において意識しなければならない。自分の仕事が溜まっているようでは、人に指示は出せないので、仕事が出来る人を上位の役職に持ってくるのはごく自然なことだ。しかし、人に仕事を振るとなると、誰が何をどの程度の力で、どの程度の結果を出せるかを意識していなければならない。また、相手の意欲や思考、得手不得手などを把握した上でないと思わぬところで足をすくわれる事にもなる。大きな損失を出さないためには、チームのメンバーそれぞれが、計算出来ることが重要だ。人を上手く使えるかどうかも大事だが、時間軸を先にずらして考えると、チームの能力を如何に底上げするかが重要だ。弱点を補い、長所を伸ばす。もし、長所をもてあます様なら、自分達のチームの活動に支障が無い程度に他のチームに対してその長所を一部提供するなど、開放的にチームの能力を発揮させることで、幅を広げることも出来る。他の部署にも積極的に関連する機会も増える。とんがった部分をチーム内の閉じ込めてしまっては、部署全体、会社全体では損失になりかねないからだ。そういう点で、ネゴを取りながら薦めるために、上層部もチームの一部と考えて上手く使うべきだ。それから、一石二鳥は言わずもがなで、一つのことを一つの目的でやるのはメンバーの仕事で、マネージャーは常に一つのことを複数の目的で考る必要があり、それが成長のためのリスクをとる場合も重要だ。「たとえ失敗しても、これは得られる」といった発想も必要になってくるからだ。(2008/02/24)

零細企業の社長は常に書かれていることのようなことを日常しつつ経営をしています。(2008/02/24)

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