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成果より大事な職場の空気

舞田 竜宣
ヒューイット・アソシエイツ社長に聞く

2008年2月26日(火)

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 リストラの名の下に断行された人員の削減が引き金となり、日本でも人材の流動化が進んだ。それに伴って、日本企業の多くが若手社員の大量離職や優秀な中堅社員の流出といった“副作用”に悩まされている。

 そうした中、「エンゲージメント」という新たな人事管理の指標が日本の人事専門家の間で注目を集めている。人材流動化の副作用を日本より先に経験した米国で発達した指標で、企業が社員とどれだけ良好な関係を築けているかを測定する。関係が良いほど、社員の離職が少なくなるという考えが背景にある。

 エンゲージメントという指標を高めて社員の離職を防ぐために何をすべきなのか──。企業のエンゲージメントの調査を手がける米大手人事組織コンサルティング会社、ヒューイット・アソシエイツの日本現地法人社長を務める舞田竜宣氏に伺った。

(本誌による要約 日経ビジネス 中野目 純一)


 日本企業は社員に冷たく、欧米企業の方が社員に優しい──。

 かつては年功序列の終身雇用制度を堅持し、社員全員に優しかった日本企業。成果主義型の人事制度を取り、業績に基づいて社員をふるいにかけてきた欧米企業。両者の間で今、こんな逆転現象が起きています。

 背景の1つには、日本の企業が取り入れた成果主義型の人事制度が結果重視になり過ぎて、会社が社員全員を突き放すような状態に陥っていることがあります。それが社員の不信感を招き、若手社員の離職や優秀な中堅社員の流出の原因にもなっています。

舞田 竜宣(まいた・たつのぶ)氏

東京大学経済学部卒。アクセンチュア、プラウドフットジャパン、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)などを経て、2006年11月から現職。著書に『10年後の人事』(日本経団連出版)などがある。

 一方の欧米の企業、特に米国の企業は、日本企業よりも先にリストラや成果主義がもたらす弊害を経験しました。人材が流出して後に残った社員の負担が急増する。士気は著しく低下し、うつ病など心身の病を患う社員が続出する。現在の日本企業が直面している「ポスト・リストラクチャリング・シンドローム(症候群)」に10年以上早く遭遇したわけです。

 反省から米国企業は社員との関係を見直しました。そこから生まれてきたのが、「エンゲージメント」という考え方です。どのような関係かというと、英語で婚約指輪を「エンゲージリング」と言いますね。これと同じで、企業と社員との関係を「婚姻関係」ととらえたのです。

 企業と社員は雇う側と雇われる側という「主従関係」ではなく、お互いに好きだからこそ一緒にいる夫婦のような関係というわけです。ですから、エンゲージメントを社員の企業に対する忠誠心(ロイヤルティー)と言い換える人がいますが、それは実は誤りです。

嫌になれば縁を切られる会社

 夫婦ですから、どちらかの気持ちが冷めれば離婚ということも起こり得る。欧米企業が社員に優しくなったといっても、それはあくまで好きな相手に対してで、そうでない相手には社外へ去ってもらいます。

コメント5件コメント/レビュー

米国の実力主義をリストラ時期に便宜的に取り入れた日本の企業は失敗する。米国と日本の労働市場が違うのに実力者はより高い賃金をという尤もな理屈だけを振り回せば失敗するに決まっている。 先ず労働市場では、弁護士、税理士、土方、修理工、配管工、大工等何をする人だとはっきり分かれて居る場合は良いが会社員、公務員など配置転換等しGeneralistを育てていた、職能に分かれていなかった日本が自分の能力を基に評価されるのには不向きだったのだ。同じ職能の中での能力主義、実力主義なら問題ない。違ったカテゴリーで比較するのは難しい。(2008/02/28)

「ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに」のバックナンバー

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「成果より大事な職場の空気」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

米国の実力主義をリストラ時期に便宜的に取り入れた日本の企業は失敗する。米国と日本の労働市場が違うのに実力者はより高い賃金をという尤もな理屈だけを振り回せば失敗するに決まっている。 先ず労働市場では、弁護士、税理士、土方、修理工、配管工、大工等何をする人だとはっきり分かれて居る場合は良いが会社員、公務員など配置転換等しGeneralistを育てていた、職能に分かれていなかった日本が自分の能力を基に評価されるのには不向きだったのだ。同じ職能の中での能力主義、実力主義なら問題ない。違ったカテゴリーで比較するのは難しい。(2008/02/28)

ロイヤリティとエンゲージメントの対比、エンゲージメントの分析は参考になった。だが期待しない方がいい。処遇制度の改革での誰が最も損害を受けたかというと制度の変更にも運用にも権限を持たない若い世代で、誰が最も得をしたかといえば、制度の変更と運用に権限を持つ人々と世代だ。おそらくこの構図は今後続く改革の中でも変わらない。土台がインチキ臭いのである。コラムのタイトルにあるような言葉はむしろ体よく言いくるめて収奪する目的のために使われてきた。私の勧める商品を買わないあなたはワガママだ!最近捕まったマルチ商法の売人はそう客に購入を迫った・・。会社はもっと人間から愛想を付かされて窮地に陥るべきだ。そこでしかエンゲージメントの本質は学べないだろう。(2008/02/27)

初めて就職した会社が、自分の所属する部門を競合他社へ売ってしまった。元の会社に転職させられた形になっている。今の会社は自分で選んで就職した会社ではないためか、全く好きになることができない。この記事の内容には共感します。今の会社を辞めて、元の会社の中途採用に応募することを検討しているところです。(2008/02/26)

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