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ネット時代に、品揃えの意味はあるのか?

「情報」を探す、闘いの日々~インターネットのないころは大変…

  • 和田 けんじ

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2008年2月20日(水)

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 東急ハンズの店頭に並ぶ、夥しい商品。

 これらの「過剰」と言えるほどの商品は、一朝一夕に集まったわけではありませんし、継続して集め続けるのは、並大抵のことではありません。従業員それぞれが、日々商品を探し続けた結果です。

あらゆるアイテムの発見・発注ができる時代に

 インターネットが普及している現在は、商品の情報を探すことは、それほど難しいことではありません。お客様のご要望・ニーズのキーワードを入力し、検索すれば、ありとあらゆる情報を見ることができます。ウェブ全体が受発注データベースとして機能するわけですから、その情報を元に、新規取引先を開拓したり、商品を取り寄せたり、あるいはお客様に必要な情報をご提供するなど、様々なことが可能です。

 そんな時代に、過剰な品揃えとそれを維持することに、意味はあるのだろうか?

 もっともな疑問です。そして、私の答えはいつもと同様に、やはり自らの体験の中から出てきます。

 私が東急ハンズに入社した当時は、インターネットはまだ普及しておらず、お客様のご依頼にお応えする情報を得るのにも、大変な労力が必要でした。

 東急ハンズのような小売店が、情報を得ることに努力が必要なのですから、消費者の皆さんはもっと大変でした。となると、どうなるか? 「じゃあ、ハンズに行って見てみよう、なければ、聞いてみよう」と、東急ハンズへのお問い合わせ・ご依頼が、今以上に膨大にあったのです。

 それも、ネットならば「検索する言葉」がある程度しっかり決まっていないと聞けませんが、対人間のアナログな世界では、もっとアバウトな聞き方になります。

 例えば、「電車の中で、××××という石鹸が、お肌にすごく良いって話してる人がいたんだけど、どこで買えるかわかりませんか?」などというご依頼を、それはもう頻繁に頂きました。

 もちろん××××のところは、うろ覚えではっきりしません。「××△×だったかもしれないし、×△××かも。いや、×××△だったかも」といったような状態です。

 今なら、インターネットにそれらしい名前を入力して検索を試みるのですが、そんなものなどない当時は、もう完全に「アナログ」な調べかたしかありません。

 まずは、お客様からもっと情報を引き出すため、細かいことを聞かせていただきます。

 「その石鹸は、何のための石鹸か?どうお肌に良いと言っていたか? 匂いの話や、色の話は出なかったか?」などなど、ヒントになりそうな事柄は、全てお伺いします。

 ここからが、闘いです。

電話、電話、また電話

 まずは取引先に、該当しそうな商品をお持ちでないか調べていただきます。

 もちろん石鹸を扱っている取引先といってもたくさんありますから、一通りお尋ねするだけでも、かなり時間がかかります。結果的に、現状の取引先にはないとなれば、今度はそんな商品の情報を聞いたことがないか、もう一度尋ねなおします。

 もしそれでもわからなかった場合、これはもう「探索の旅」に出なければなりません。

 「お調べしてみます」と、お客様とお約束したのです。あらゆる手を尽くすのが、従業員の使命です。

 取引のない企業に尋ねるのですが、この場合、手段は限られます。どうするかと言いますと、タウンページなどの電話帳をめくり、該当しそうなお店・企業に電話をかけるのです。

 これは、かなりな難関です。

 ご不在のこともあれば「現在分かる者が席をはずしております」など、すぐにご返事があるわけではありません。何より、突然東急ハンズから電話が入るのです。お話すら聞いてくれないケースもあります。

 こうしたことを重ねても、不幸にしてわからなかった場合。それでも、簡単にはあきらめません。お客様のご情報のどこかに、勘違いや聞き違いがあるのかもしれない。

 例えば商品名。

 アイウエオではなく、ハイウエオかワイウエオの聞き違いではなどと、従業員同士で様々な可能性を話し合ったりします。もしくは、「お肌に良い」のではなく、「医療用」や「あかちゃん用」かもしれないと、その特性を広げてみます。

 こんな可能性が考えられれば、再度最初に戻って、取引先に問い合わせるところからもう一度始めます。

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