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抱え込む組織は、もうお役ご免

クラウディア・ジョイス 米マッキンゼー・プリンシパルに聞く

2008年2月28日(木)

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 ビジネスにおける競争が激化し、商品やサービスが陳腐化するスピードが速まっている。新たな商品やサービスを開発する期間も短くなる一方だ。

 そうした中、開発から生産、販売までの各部門が協力しお互いに知恵を出し合うことが重要になっている。まして従来にない画期的なものを生み出そうとすれば、発想の異なる人々がチームを結成して取り組むことが欠かせない。

 ところが、こうしたチームワークを阻む要因が企業の中にある。個人の業績を重視する成果主義型の人事制度はその1つ。もう1つは、縦割りの組織が生み出す部門間の壁だ。

 企業の中に依然として残る部門間の壁に風穴を開け、チームワークを円滑にするにはどうしたらいいのか──。米大手コンサルティング会社、マッキンゼーのクラウディア・ジョイス氏は、IT(情報技術)が発達したデジタル時代でこそ可能な3つの仕組みの導入を提言する。

(本誌による要約 日経ビジネス 中野目 純一)

クラウディア・ジョイス
(Claudia I. Joyce)氏

米大手コンサルティング会社、マッキンゼーのニューヨークオフィスのプリンシパル。金融サービス部門の中核メンバーを務める。米ノースウエスタン大学経営大学院でMBA(経営学修士号)を取得。共著書に『Mobilizing Minds: Creating Wealth from Talent in the 21st-Century Organization』(米マグロウヒル)がある

(写真:丸本 孝彦)

 今日の企業では、画期的な商品やサービス、あるいは革新的な業務を進め方といったものを考え出す社員のアイデアがとても重要になっています。

 アイデアは1人の社員から出てくるだけではありません。複数の異なる部署に属する社員たちが情報を共有しながら力を合わせて1つの課題に取り組む。その中から生まれてくる場合も多い。

 ところが、こうした共同作業を妨げる障害が、企業の中で依然として残っています。事業部など縦割りになった組織の間にある壁です。その壁は、企業の規模が大きいほど高く強固なものになる。そうなると、社内を横断して共同作業を進めることは難しい。

マトリクスの効能と弊害

 これまでにも、縦割り型の組織の壁を突き崩して、横断的な共同作業を促進しようとする試みはありました。その代表例が、垂直方向の事業部制に生産や販売といった機能別の組織を組み合わせる「マトリクス」型の組織です。

 これによって、縦割りの組織の壁を超えた共同作業はある程度までは進みました。しかし、企業の規模が拡大するにつれて、マトリクス型の組織自体が複雑かつ煩わしいものになってしまった。

 リテールバンキング(小口金融業務)を扱う銀行を例に取りましょう。そこでは営業エリアに分かれて設置された支店の中に、クレジットカードや住宅ローンなどの商品それぞれの販売を担当する行員がいます。マトリクス型の組織では、これらの行員は支店の上司のほかに、自分の担当している商品を統括する上司にも報告する義務を負います。

 このようにマトリクス型の組織では、1人の社員が複数の組織に属することになり、上司の数も増える。複数の上司に仕えるという煩雑さから、社員の働く意欲は低下します。こうなると、社内を横断した共同作業に精を出すどころではなくなってしまいます。縦割りの壁を超えた共同作業を促すために導入したマトリクス型の組織が、かえって共同作業を妨げてしまうわけです。

部署の異なる社員のネットワークを作る

 とはいっても、企業としては社内横断的な共同作業を行えるようにしたい。例えば、ニューヨークで顧客との間で起きたのと同じ問題が、例えばアイルランドのダブリンで既に起きていて解決済みということがあるわけです。そうした場合、ダブリンで取られた対応をいち早く知ることができれば、ニューヨークでも迅速に問題を解決することが可能になります。

 では、マトリクス型の組織とは別の形で、才能ある社員たちの共同作業を促すにはどうすべきなのでしょうか。

 ここでまず留意すべきなのは、企業の組織における縦割りや階層といったものを完全になくせないことです。縦割りの組織や階層にはデメリットがある一方で、大量の社員を効率的に管理できるメリットもあります。企業の規模がある程度の大きさを持つと、縦割りの組織や階層はどうしても必要になるのです。

 むしろ、縦割りの組織や階層を残しつつ、社員たちが感じている複雑さを軽減することを考えるべきです。そのために我々は3つの新たな仕組みを提唱しています。

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「抱え込む組織は、もうお役ご免」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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