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見限られるのは、会社でなく上司

ディック・アントワン
米P&G前グローバル人事担当役員に聞く

2008年3月6日(木)

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 経済のグローバル化の進展に伴って日本企業の海外進出が加速し、進出先で従業員を採用する動きが広がっている。しかし、定着せずに辞めていく人が後を絶たない。

 「日本企業に就職しても出世できない」「欧米企業に比べて給与水準が低い」といった理由が挙げられているが、果たして本当にそうなのだろうか。

 世界中で従業員を採用し、離職率を低く抑えられている米P&Gのディック・アントワン前グローバル人事担当役員に外国人を惹きつけて定着させるポイントについて聞いた。

(本誌による要約 日経ビジネス 中野目 純一)

ディック・アントワン(Dick Antoine)氏
米P&G前グローバル人事担当役員(Global Human Resources Officer)。1969年、米ウィスコンシン大学卒業後、米P&Gに入社。ペルーの首都リマの工場長や北米の生産統括本部、人事統括本部副社長などを経て、98年に上級副社長。99年から2007年12月までグローバル人事担当役員。今年3月末に引退予定。72年に米シカゴ大学経営大学院でMBA(経営学修士号)を取得

(写真:Jim Callaway)

 P&Gには次のような言い習わしがあります。「辞めていく人たちはP&Gに見切りをつけるのではない。上司を見限るのだ」と。上司と部下がお互いを尊敬できず、うまく一緒に仕事を進めることができない。それが部下の離職の引き金になるというわけです。

 P&Gには世界で13万8000人の従業員がいます。そのうち3分の2が、米国以外の国で働いています。従業員の出身国は140カ国以上にわたり、米オハイオ州シンシナティにある本社に勤める外国人社員は約1000人に上ります。

 どの国でも採用には苦労していません。しかし、いくつかの国では従業員の離職を防ぐという点で問題を抱えています。インドはそれほどでもありませんが、中国やブラジル、ロシアといった人材の争奪が激しい国では、離職を阻止することは容易ではありません。

給与を上げても離職防止には役立たない

 例えば5年勤めた優秀な人材が、高額な給与で他社に引き抜かれていく。それでも、離職率はほかの会社の半分程度にとどめることができています。 従業員の離職を阻止するために重要なことが2つあります。1つは、会社が彼らをどう見ているかを明確に理解してもらうこと。もう1つは、上司と良好な関係を持つようにすることです。つまり、既に触れたように部下が上司を見限って会社を辞めないようにするわけですね。

 まず上司と部下が強固な関係を築くことの重要性を強調しています。さらに、「メンター」と呼ばれる相談役を上司とは別に置き、メンターが従業員から会社や上司に対する不満を聞いて問題解決に向けた助言を授ける。こうした取り組みにも力を入れています。

 一方で、従業員の離職を防ぐために給与を引き上げることはしていません。仕事が面白く、挑戦しがいがあって報われていると感じているか。一緒に働いている同僚や上司を尊敬して楽しく仕事をしているか。この2つの点が満たされていれば、多くの従業員を引き留めることができると考えています。

人物本位、だから国籍は関係ない

 海外の工場で働く従業員は現地で採用した人が大半ですが、工場以外では、本社であれ日本の現地法人であれ、様々な国籍の社員が働いています。このような人材の多国籍化は、ビジネスのグローバル化を進める取り組みの一環になっています。

 例えば、P&Gには執行役員以上の幹部が45人いますが、その4割を米国以外の出身者が占めています。3人いる副会長のうち1人は米国人ですが、残る2人はドイツとアフリカ・タンザニアの出身です。経営幹部に米国以外の出身者がここまで多くいるのは、米国企業の中でも異例でしょう。

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「見限られるのは、会社でなく上司」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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