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「価格競争に巻きこまれないため
私は発想で勝負した」

大嶋電機製作所の梅澤 隆男氏

  • 野村 滋,日本機械工業連合会

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2008年4月28日(月)

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 自動車用のランプを主力製品とする同社は、従来、多くの同業他社と同じような方法でものづくりをしていた。レンズやハウジングなどそれぞれの部品を個々に成形した後で、それらを組み付けては生産していたのだ。2002年に完成させた「OSI(Oshima original System Injection)」成形工法は、こうした成形加工→組み立て→接合までを同一の成形型内で行うという画期的なシステム。単純に言えば、金型に材料を入れるだけで、完成品が出てくるのだ。今回受賞対象となった「OSI-UMSS」は、さらにスパッタリング(真空蒸着)工程までをも、型内システムの中に組み込んだ。専用の大規模な設備はいらなくなり、部品類の在庫も必要ない。製造に要する時間も大幅に短縮されるなど、成形加工の現場に革命をもたらしつつある。

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【会社概要】

梅澤 隆男氏

梅澤 隆男氏 (53歳)
Takao Umezawa
O S I - U M S S
開発推進室 室長

大嶋電機製作所
群馬県太田市

設立
1960年12月
資本金
3 億8000万円
従業員数
194 人(2007年11月現在)
ワンポイント
「OSI-UMSS」は、携帯電話などの樹脂部品に成膜を行うといった多くの分野に応用可能だとして、用途開発が進んでいる

「価格競争では負ける」。“究極の工法”開発の出発点にあった、大いなる危機感

 「小さな型内に大きな工場」。同社の、ランプ成形型内完成システム・OSIにじか書きされたこのフレーズが、その革新性、込められた技術のすべてを語っていると言っていい。同社が得意とする自動車用のランプに例を取ろう。バルブ(電球)が装着されるハウジングの部分とレンズとでは、使う樹脂の種類が異なる。それぞれ別の成形機(金型)でつくった後、組み立て、接合するのが普通のやり方だ。しかしOSIは違う。1つの金型に2種類の樹脂を流すだけで、ハウジングもレンズも成形。しかもその中でロボットが組み立て、接合を行い、取り出してすぐに製品の検査まで済ませてしまうのだ。

自動車用の各種ランプを「小さな型内」で製造

自動車用の各種ランプを「小さな型内」で製造

成形加工、組み立て、接合、製品検査までこれ1台で行う「OSI」システム。内部ではロボットが大活躍

成形加工、組み立て、接合、製品検査までこれ1台で行う「OSI」システム。内部ではロボットが大活躍

 「ご覧のように、少し大きな金型っていう感じでしょ? 今までは部品をつくって、ストックしておいて組み付ける。当然のように複数の金型と接合装置が必要でした。それがこの1台でできてしまうのですから、省スペースという点だけ取っても、大変なメリットです」

 開発に着手したのは1990年代の後半のこと。「日本製鋼所が、エンジン関連の部品を中空射出システムで樹脂化したことを知り、それをランプ製造に応用できないかと考えた」のがきっかけだ。だが、その底流には、自社のものづくりに対する強い危機感があった。

 「単品成形では、海外との価格競争に勝てない。そもそも、製造業の基盤とも言うべき金型が海外に流失してしまうのでは、話になりません。“日本でしかつくれない金型”にするしかないと、けっこう悲壮な決意だったのですよ」

 意を決した梅澤さんは、当時の同僚2人と共に社長室のドアを叩く。研究開発のテスト金型など、実験機を導入するための資金を出してもらうためだ。事前に、「ボーナスはいらないから、500万円出してください」と話すことに決めていた。腹をくくって、「苦しい時こそ挑戦しなければ」と力説する3人の話を聞き終えた社長の答えは、「1000万円出すから、やってみろ」だった。

 「『研究開発だけでなく、量産に結びつけてほしい』というのが社長の考えでした。うれしかったですけどねえ、これは失敗できないぞと逆にプレッシャーを感じました」。試行錯誤の末に、システムが完成したのは2000年だった。

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