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お城の「塗り壁」がシックハウス対策に

田川産業の行平 信義氏

  • 野村滋,瀬川 明秀,日本機械工業連合会

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2008年4月22日(火)

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 石灰などを原料につくられる漆喰。その耐火性や耐久性ゆえに、何千年も前から世界中で建築仕上げ材として使用されてきた歴史を持ち、我が国ではお城や土蔵などの白い塗り壁でおなじみだ。しかし、漆喰の強度を最大限に高めることには、誰も成功していなかった。そのポテンシャルに気がついていなかった、という方が正確かもしれない。問題は水だった。漆喰は水を混ぜて塗るというのが常識。ところが不可欠なはずの水が、実は強度発現には邪魔な存在だったのだ。同社の開発した「ライミックス」は、原料を超高圧で成形した漆喰セラミック。その強度、高級感ある風合いは、壁よりもむしろ床材として市場を獲得しつつある。シックハウス症候群の原因となる有害物質を吸着するなど、機能性建材としても注目される。

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【会社概要】

行平 信義氏

行平 信義氏 (57歳)
Nobuyoshi Yukihira
代表取締役

田川産業
福岡県田川市

設立
1946年10月
資本金
1000万円
従業員数
26人(2007年11月現在)
ワンポイント
 
漆喰セラミック「ライミックス」に関しては、中国、ドイツにも販社設立。光触媒を配合した高機能製品なども開発

【その他の受賞メンバー(五十音順)】
尾池哲郎、乗政全成


切実なニーズと、ヒントを授けてくれた出会い。それが開発の端緒に

 「ここ田川は、黒いダイヤ(石炭)と、白いダイヤ(石灰)に恵まれた土地だったんですよ」と話す行平さんは、「白いダイヤ」にかかわる地元企業の3代目。現在は、我が国最大の漆喰メーカーのトップとして、その陣頭指揮を執る。

 漆喰と聞いても、若い世代にはピンとこないかもしれない。「城の壁が白いのは漆喰を使って仕上げているから」と言えば、理解してもらえるだろうか。石灰石(炭酸カルシウム)を高温で加熱してできる、消石灰(水酸化カルシウム)を固化材とする塗壁仕上げ材である。だが、市場は徐々に減少。

 「原因は漆喰にではなく、使う側の都合にありました。安く、簡単に。建築材料の世界でも、いろんな“インスタント製品”が幅を利かすようになったんですよ」

 しかしそんな風潮が、画期的な漆喰製品を生む遠因になったのだから、世の中分からない。1992年頃のこと、あるハウスメーカーから「漆喰のボードができないか」と依頼を受ける。まさに、インスタント建材の横行によるシックハウス症候群が社会問題化していた時期だ。有害化学物質を使わず、むしろそれを吸着する効果のある漆喰に、白羽の矢が立ったのである。

「これはいいものになるかも」。その直感を信じたからこそ数千年の思い込みを絶つことができた

「これはいいものになるかも」。
その直感を信じたからこそ数千年の思い込みを絶つことができた

 当然のことながら、ボードにするためには、硬く固める必要がある。まず、押し出し成形を試してみた。だが形にはなるものの、乾くとどうしても反りが出てしまう。その後もいろいろ試してみたが、足がかりさえつかめなかった。完全に煮詰まっていた行平さんが運命の出会いを果たすのは、その数年後のことだ。知人が「塩を分けてほしい」とやって来たのだ。

 「消石灰の製造工程で塩を使うのです。その知人は、鹸化法では絶対にできないと言われていた、塩を大量に含む塩石鹸をつくっていたのです。面白い人でね、専門家に『そんなのは無理だ』と言われたから余計にファイトを燃やして、実際につくってしまった。聞けば、材料に超高圧をかけて、無理やり押し固めたというのです」

 「固める」ことで頭を悩ませていた行平さんは、ダメもとでその方法を試してみた。するとどうだろう、今までなかった硬い漆喰になったのである。「これはいけるかも」と直感し、実験機の設置を決意する。97年のことだった。

 「ハウスメーカーのニーズとあの出会い、どちらが欠けていても、今はなかったでしょうね」

 しかし本当に大変だったのは、ここからだった。

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