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値下げは悪? 改正独禁法に要注意

  • 石垣 浩晶

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2008年4月21日(月)

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 不当な値上げの摘発強化の次は、値下げに――。

 公正取引委員会が先月、国会に提出した独占禁止法一部改正案には、不当廉売の摘発強化という、一見すると価格競争を促進し、消費者の利益につながると見られる行為の規制を強化する内容が盛り込まれた。

 独禁法は2006年にも一部改正されている。前回改正のポイントは、談合やカルテルの摘発を強化したことだ。そのために競争当局に報告し調査に協力することで罪が軽減されるリニエンシーの導入や課徴金を強化した。

 前回改正によって、大きな影響を受けた業界の1つが、建設業界だ。大手ゼネコンは続々と「脱談合宣言」を行った。それによって公共入札において予定価格を大幅に下回る安値で応札(ダンピング)するようになったと言われている。

 中にはダンピングが行き過ぎているとして、公取が警告に乗り出したケースも出てきた。2007年6月に公取は、大成建設、大林組、間組、馬淵建設、丸本組に対して、公共工事の入札でダンピングしているとし、これは独禁法の不当廉売の規定に違反する恐れがあると警告した。

 今回の独禁法改正は、カルテル、談合の摘発強化によって不当廉売が横行し、それによって健全な競争環境の醸成に支障を来すのを抑止するための措置とも言える。ただし、企業にとっては正当な価格競争を不当廉売と認定されてしまえば、大事な顧客に迷惑がかかることになる。

 そうしたことを防止するためにも、一時的には消費者の利益になると見られる不当廉売が、なぜ取り締まられるのか、これまでどのような形で取り締まられてきたのか把握しておく必要がある。

新たな課徴金の対象に追加された行為

 不当廉売が防止されるのは、正当な競争に基づかない形で適正価格以下の受注や販売が横行すると、資本力のない企業は市場から撤退せざるを得なくなる。それによって私的独占が出来上がれば、最終的に価格のつり上げを許してしまい、消費者の不利益につながる。

 一見、消費者の利益につながるダンピングが独禁法の摘発対象になるのは、不健全な競争行為によって私的独占を形成されるのを防ぐためだ。独禁法では取り締まりの対象となる私的独占の形成行為を、支配型と排除型の2つに分けている。

 支配型の私的独占行為とは、有力な事業者が同業者や流通業者などの活動を支配することで、実質的な競争を排除する場合だ。支配型私的独占の例としては、パラマウントベッド7960が東京都立病院向けベッドの入札で、販売先に働きかけて特定の会社以外の製品の購入を妨害したとして公取は1998年に排除勧告を出している。

 もう1つの排除型の私的独占行為とは、市場での有力な事業者が他の事業者を市場から駆逐することを目的に行う不当廉売などだ。例えば、企業がライバル会社の販売行動を阻害するといった行為である。

 排除型の私的独占の事例としては、公取が2004年に有線ブロードネットワークス(現USEN)がライバル会社の顧客に限って格安でサービスを提供したことや、2005年にインテルの日本法人が国内のパソコンメーカーに自社の製品の利用割合を100%、ないし90%にすることにより大幅な割引をする行為が排除型私的独占に当たるとして審決や排除勧告を行っている。

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