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摘発される値引き、されない割引の境界は

  • 大西 利佳

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2008年6月1日(日)

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 米マイクロソフトは昨年、欧州第一審裁判所からEU(欧州連合)競争法で禁止する支配的地位の濫用違反で、約4億9720万ユーロの制裁金を受ける判決を受けた。この判決は、2004年に欧州委員会がマイクロソフトにOS(基本ソフト)の支配的地位を濫用しているのはEC条約82条に違反するとした判定を不服とするマイクロソフトが訴えていたもの。欧州第一審裁判所はマイクロソフトの訴えを棄却した。

 この係争のポイントの1つは抱き合わせ販売で、欧州委の判定はマイクロソフトがOSのウィンドウズと画像再生のメディアプレーヤーを抱き合わせて販売することによって、メディアプレーヤーと競合する画像再生ソフトを提供する米リアルネットワークや米アップルの状況を不利にしたとするものだ。この抱き合わせ販売については、マイクロソフトは1990年代後半にも、米司法省からウィンドウズとブラウザーのインターネットエクスプローラーについて問題視された。

 欧米の競争当局がマイクロソフトに対して是正を求めた抱き合わせ販売は、複数の商品をセットにして販売するもので、多くの場合は単品で購入するより格安である。単純に考えれば、企業にとって価格及び商品構成の戦略は収益力強化につながり、消費者にとっても手頃な値段で購入できる利点を持つ。企業にも消費者にもメリットをもたらす販売方法を、競争当局が禁じる理由はどこにあるのだろうか。

タイングとバンドリングの競争効果

 抱き合わせ販売には、
(1)Aの購入は、Bを購入しない限り不可能である
(2)AとBとセットで購入すると、値引きがある
 
 という2つの方法に分かれる。

 このうち(1)の方法はタイングと呼ばれており、特にマイクロソフトのように独占的地位にある企業がこの販売形態を取ると、消費者に不必要な商品の購入を強要する恐れがあったり、競合相手を市場から排除するような排他的行為と見なされて独占禁止法に抵触する。

 (2)の方法はバンドリングと呼ばれているものだ。バンドリングは商品Aと商品Bの個別の販売も行われているため、(1)のような強要的な要素がないように思われる。しかし、これも場合によっては、競合他社の排除には有効な戦略となり得る。

 例えばAとBの商品を販売する会社が、Xの市場では独占的地位にあるが、Yの市場では多数の企業と競合しているケースを想定する。Aの価格は1000円でBの価格は100円とする。また競争の激しいYの市場では、Bと同種の商品を他社も販売しているとする。

 もし、この企業が商品Aは商品Bを購入した場合のみに販売するタイングをした場合、消費者の負担は1100円で、これは単体で購入する額と同じである。代わりに、AとBを個別に買うと、Aは1200円でBは100円、セットなら合計で1100円といったセット販売を行ったとしよう。

 この場合、セットでなく個別で購入すると合計金額が1300円になるので、セットで購入する方が200円得になる。そのため、B商品の競合品に特別な魅力がないとすれば、消費者はAとBのセットで購入することが増えるだろう。

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