「“世界で売りたい” 日本のニュー・サービス」

ウソか本当か〜「ニッポンの労働生産性が低いのはサービス業が悪いから」

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2008年7月2日(水)

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「日本の労働生産性は米国よりも低いのはサービス業があるから」?

 「日本の労働生産性は米国の71%に留まる」(2005 OECDデータ)。あなたはこの分析結果を聞いて、妥当な結果だと感じるだろうか。もっと高いはずではないか、そう感じる人も多いのではないか。しかし、OECDデータだけでなく、他の統計を見てみても、同様の結果が指摘されている。日本の労働生産性は決して高くない。 ただし、この労働生産性の低さには理由がある。それは「サービス業」の影響だ。

 「オイルショック」や「アジアからの追い上げ」といった向かい風を「カイゼン」に代表される徹底した効率化によって切り抜けてきた製造業は、米国とほぼ同水準の労働生産性である。だが、サービス産業は米国と比較して格段に低い。社会経済生産性本部の分析によると1991年から2005年の15年間で製造業が毎年生産性を平均3.1%上昇させてきたのに対して、サービス業は年率0.3%の伸びに留まっている。

 国内の就業人口の約65%を占めるサービス業。その低い生産性が、日本全体の競争力の伸びを減速させている。
(本連載でいう「サービス業」とは、いわゆる3次産業を指しており、1次・2次産業以外の幅広い業種を含んでいる )

日本のサービス業の生産性が上がらない要因は・・・

 サービス業の生産性が上昇しない要因として、「サービス業は真似されやすい」「日本の消費者は攻略が難しい」「規模の経済が働かないために、業績拡大が難しい」「サービスは製品と違って輸出が難しい」「海外では暗黙知経営が通用しない」といったことをよく耳にする。

 これらの指摘の背景には、「製造業など物財を扱う他の産業とは異なる特性を有している」ことが挙げられる。サービスの基本特性として「無形性(目に見えない)」「同時性(生産と消費が同時)」がある。無形であるが故に、サービスは真似されやすくなる。また、生産と消費が同時に行われるため、量産(規模の経済を働かせた大規模化)は容易ではなく、ましてや海外展開する際には必然的に現地化が必要になるため、量産は難しい。

さらに原因はありそうだ・・・・

 生産性が上がらない背景はこれだけではない。日本のサービス産業独特の要因がある。消費者の過剰品質要求、細かすぎるニーズといった需要側の問題、サービスの「差別化」が出来ず、結果的に周辺事業者と同質のサービスがラインナップされてしまう供給側の問題があるため、生産性が損なわれていると考えられる。

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著者プロフィール

山口高弘(やまぐち たかひろ)

山口高弘 鳥取県出身。2003年同志社大学大学院総合政策科学研究科修了。専攻は人的資源管理論。同年、株式会社野村総合研究所に入社。現在社会産業コンサルティング部 副主任コンサルタント。専門は、企業の人材育成・人材活用戦略、サービス産業を中心とする産業政策など。

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