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従来型の合併は「成功3割、失敗7割」
ならば“穏やかな統合”に解決策がある

「文化が違う会社を無理に一緒にすることはない」

  • 荻原 紀男

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2008年7月4日(金)

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 2008年7月。オフィス街を歩いていると夏を感じるようになってきた。日差しは強くなり、クールビズでネクタイを着けていないビジネスマンを見るようになってきた。夏といえば、今年は北京オリンピックが開催されるからスポーツを思い浮かべる人もいれば、アウトドア、そして生ビールを思い浮かべる人もいるだろう。この時期になると、毎年恒例のアルコール飲料の広告を見ることも増えてきている。

 そんなビジネスマンにとっても馴染みのあるビールの1つ、バドワイザーで有名な米アンハイザー・ブッシュに対して、業界内最大手、「ステラ・アルトワ」などで有名なインベブ(ベルギー)が買収提案を行ったというニュースが入ってきた。このM&Aディール(取引)の背景にあるものの1つとして、麦芽、ホップなどの原料高が挙げられている。

昨年までと今年では相談内容が明らかに違う

 企業を取り巻く経営環境が急激に変化しており、今回のビール業界内再編のような話は他業界でも起きている。例えば、航空業界では、燃料高によるコスト増に非常に苦しんでおり、生き残りを懸けた再編を模索している。我々はプログレスパートナーズという上場企業のジョイントベンチャーとして設立された経営コンサルティングファームであるが、お客様から今後の成長戦略に関するテーマで相談を受ける場合もある。ただし、昨年までと今年では明らかに中身が変わってきた。

カネ余りとサブプライム問題。そしてM&A件数の減少

 企業の成長戦略を考える際、M&A(合併・買収)がその手段の1つとして考えられることが一般的になったことに、誰も意見の相違はないだろう。2007年の前半まではM&A市場は活発だった。その要因としていくつかの項目が挙げられるであろうが、当時、外資系・日系の金融機関の担当者との情報交換で強く実感していたのは、「世界中でのカネ余り」だったと言える。

 ここで、ここ2年くらいでお茶の間までに知れ渡るようになった「投資ファンド」を題材にして、昨年までのM&Aの動向について述べてみよう。

 2007年前半までは、国内外で多数のファンドが組成され投資先を探していた。投資ファンドの運営者たちは投資家から資金を預かっている以上、その資金を運用しなければならないわけだが、運営者は“何か”に投資しなければリターンも得られない。運用がされないのであれば、投資家はそのファンド運営者に資金を預けておく必要はないし、ファンド運営者も管理手数料を受け取る正当な理由も、ましてや成功報酬を手に入れるチャンスもなくなってしまうのだ。このような背景があり、2007年前半までは多くのファンドが、資金の運用先としてM&A案件にも関心を示し、資金を振り向けていた。

 しかし、2007年後期、まさに米国でサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題が大きな課題となってきた頃から、欧米の金融機関や、出資しているファンドが、そのディールから離脱するということが増えていた。国内の2007年のM&A案件数は前年度比較で4年ぶりに減少している。2008年1月頃は、まだ「2008年のM&A案件は、2007年度と同程度になるだろう」という声も一部から出ていたが、事実は前年比で10%減ほどになる可能性を持ちつつ推移している。

日本企業のM&A件数の推移

サブプライム後の資金運用先としての商品投資

 

 ファンドは何をもって投資をして利益を創出するのか。もちろん、将来のリターンの見込みのもとで投資をするが、そこには非常に重要な前提条件がある。それは「経済が好況下であること」である。

 “経済環境が良い国、これから成長しそうな国の株式、債権に投資をする”と書くと、個人向け投資信託の広告によくありそうな一文になってしまいそうだが、実はこれが、ファンドが利益を出す基本的な仕組みを理解する例として分かり易い。
 例えば、企業の株式を取得し、そこからリターンを得るという流れの前提にある条件は、企業の業績が良くなり、それに応じて企業価値(ここでは時価総額という表現の方がいいかもしれない)が向上することであり、それによって配当益、売却益というような運用益を得ることができる。

 しかし、「経済が不況下である」場合、企業に投資を行っても、投資リターンを得るのが難しくなる。それでは資金を運用しなければならない運営者はどこにお金を投入せざるを得ないか?

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師