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“不機嫌な職場”は変えられる

永田稔 ワトソンワイアットコンサルタントに聞く

2008年7月5日(土)

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 社員が“自分の仕事”だけをこなし、担当外と見なした仕事を押しつけ合う。こんな企業の現場の実情を描いてベストセラーになった『不機嫌な職場』(講談社現代新書)──。

 共著者の1人である人事コンサルティング会社ワトソンワイアットの永田稔コンサルタントは、成果主義の下で“スタンドプレー”に振れすぎてしまった人事評価制度を、“チームプレー”の方へ戻すべきだと訴える。

 とはいえ、かつての年功序列型の制度への回帰を求めているわけではない。経済のグローバル化が進む中、様々な国の出身者が協力し合う「グローバルチーム」を作る必要性を繰り返し強調する。そして著書の主張が曲解されて“復古主義”を煽っているのではないかとの懸念を示す。

(本誌による要約 日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)


 『不機嫌な職場』は、早稲田大学高等研究所の渡部幹准教授とワトソンワイアットの元同僚2人と計4人で執筆しました。実はこの本がベストセラーになって、心配していることがあります。我々がこの本を通して成果主義型の人事評価制度に異を唱え、年功序列型の制度への回帰を促している。そう誤解されてはいないか、という懸念です。

 確かに本では、成果主義が導入されてから社員同士の協力関係が希薄になった企業の職場の実情を紹介し、社員が協力し合える組織の作り方を示している。しかし、そこで主張しているチームワークとは、かつての年功序列型の人事評価制度におけるものとは全く異なるものです。

成果主義は一度は通らなければならない道だった

永田 稔(ながた・みのる)氏
1967年生まれ。一橋大学社会学部卒業。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校経営大学院で経営学修士号(MBA)を取得。松下電器産業、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経てワトソンワイアット入社。ビジネスモデル、組織モデル、人材マネジメントモデルを一体とした組織変革コンサルティングに従事する。共著書に『不機嫌な職場──なぜ社員同士で協力できないのか』(講談社現代新書)がある。

 それに私は成果主義を否定してはいません。むしろ、1990年代以降に日本企業の大半が成果主義型の人事評価制度を導入したことは、当時の企業が置かれた状況に合致していたと考えています。

 成果主義を取り入れる以前の日本企業では、社員の役割や成果についての定義が曖昧だった。高度成長期においては企業の人員は急速に増えて組織もどんどん変わったので、役割や成果を定義しにくかったことが一因だったのでしょう。ところが、経済が成熟して成長のスピードが鈍化してくると、役割や成果を明確に定義してこなかったメリットよりもデメリットの方が目立つようになった。

 例えば年功制では、年齢と給与はほぼ比例していました。部長、課長、係長と地位は違っても、同じ50歳なら給与の額はほとんど変わらない。これに対して「不公平じゃないか」という不満が出てきた。役割や成果に応じて給与の額が変わるのが自然だという考え方が強まったわけです。こうした意識の変化に成果主義がマッチした。

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「“不機嫌な職場”は変えられる」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 国際ジャーナリスト、英エコノミスト誌・元編集長