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欧米の博物館、美術館で人気~世界初の窓ガラス「スペーシア」を開発

日本板硝子の皆合哲男氏

  • 野村滋,日本機械工業連合会

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2008年8月11日(月)

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 外気温と室内の温度・湿度の差が引き起こす結露は、カビや腐食など住宅の劣化を引き起こす。この結露の原因である窓ガラスの断熱性の低さを解消するため、同社が94年からシドニー大学と共同開発を始めたのが、世界初の真空複層ガラス「スペーシア」である。2枚のガラスの間にわずか0.2mmの真空層を設けることで、1枚ガラスの約4倍強、また空気層で同じ効果を狙った一般的な複層ガラスの約2倍強という断熱性能を実現した。結露を防ぐと共に、冷暖房効率もアップするというエコガラスである。商品化に当たっては精密工業分野の様々な要素技術を集約した生産システムと、「サイズが大きいとたわむ」「加熱・冷却に敏感」といったガラスの複雑な性質を熟知した、同社の豊富な技術蓄積が決め手となった。

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【会社概要】

皆合哲男氏

皆合哲男氏 (39歳)
Tetsuo Minaai
京都事業所/
BP事業本部
BP研究開発部
機能硝子技術領域
主席技師

日本板硝子
東京都港区

設立
1918年11月
資本金
961億円
従業員数
2708人(2007年3月現在)
ワンポイント
国内三大ガラスメーカーのひとつ。板ガラスのほか、情報電子分野やバイオ・環境分野などでも最先端のガラス技術を追究している

【その他の受賞メンバー(五十音順)】
●日本板硝子/浅野修、加藤英美、加藤浩昭、高本嗣久、堀口直人
●日本板硝子スペーシア/碓氷環、草谷拓也


0.2mmの真空層を密封し、品質を保持する。精密かつ複雑な構造の窓ガラス

2枚のガラスのシール部分。実はこんなところにも特許技術が潜む

銀色の突起は空気を抜いた跡を保護するキャップ。その周辺に見える黒い点はマイクロスペーサ

 冬場や梅雨時の窓ガラスの結露はいやなもの。放置すればカビを呼び、家の劣化を早めてしまう。結露を防ぐには、窓ガラスが外気温を伝えないように断熱すれば良い。そこで生まれたのが、2枚のガラスの間に空気を閉じ込めた複層ガラス。しかし、空気といえども熱は伝えるので、最低でも6mmの層が必要となる。日本の一般的なガラスの厚みは3mmなので、全体では厚さが12mmになってしまう。取り付けるには、専用のサッシかアタッチメントが必要だった。

 より薄く、より高い断熱性を求めるなら、魔法瓶のように真空の層をつくるのが一番だ。そのアイデア自体は、20世紀初頭には存在していたのだが、技術的な問題から実用化されることはなかった。だが89年、シドニー大学のリチャード・コリンズ教授が、ついに真空複層ガラスのサンプル製造に成功したのである。真空層の厚さはわずか0.2mm。ガラス全体でも厚みは6.2 mmにすぎず、普通のサッシにそのまま収まる。その商品化のためのパートナーに名乗りを上げたのが日本板硝子であり、プロジェクトに参加したのが皆合さんだった。

 「まずは実験室でサンプルの再現から始めました。中が真空ですから、ガラスは常に1平方センチメートル当たり1kgの大気圧で押されている状態。この圧力に耐えるため、2枚のガラスの間にマイクロスペーサ(支え)を入れてやる必要があります」

 素材は強度とコストを考えて一般的な金属にした。その直径は0.5mm、高さは0.2mm。このマイクロスペーサをひとつずつピンセットでつまみ、2センチ間隔でガラスの上に置いた。

 「スペーサが移動しないよう接着剤の使用も考えました。でも真空層に有機物を残すと、後々ガスが発生して真空度が下がり、断熱性能が落ちる恐れがある。意外に動かないようだし、やめとこうと」

 スペーサを並べ終えた後、その上にもう一枚のガラスを置く。そして周囲にシール剤として低融点ガラスのペーストを塗って、焼成(加熱して溶かす)を行う。ガラスの一方には、あらかじめ約2mmの穴を開け、ガラス管を立ててある。そこに真空排気用治具を取り付け、焼成に続けて中の空気を抜き、ガラス管を溶かして穴をふさぐのだ。

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