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“アイデア勝負”の会社が見直した理由

岡田浩人 小林製薬人事部採用・教育グループ長に聞く

2008年7月6日(日)

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 「消臭元」や「熱さまシート」など、ユニークな商品を次々と出してきた小林製薬4967。このヒットメーカーが昨年から今年にかけて成果主義型の人事評価制度を見直した。

 同社では、社員一人ひとりが貪欲にアイデアをひねり出し商品開発に結びつけている。そうした社風に、個人の成果に応じて給与や処遇を決める制度は合いそうなものだ。実際、修正前の制度は、若手社員らの要望を受けて2005年に導入した。

 にもかかわらず、短期間で修正することになったのはなぜなのか。制度の再設計を担当した岡田浩人グループ長がその理由を明かす。

(本誌による要約 日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)


 人事評価制度を見直したのは、従来の制度でいくつかの弊害が生じたからです。

 2005年度に導入した制度は、一定期間に一人ひとりの社員が達成した“時価”に応じて給与や社内での等級を決めるというものです。当社では、その評価制度を、時価主義と呼んでいます。

 もともと1990年代の半ばから目標の達成度で社員を評価し、その結果を賞与や昇給に反映させるという形の目標管理制度を取り入れていました。しかし、評価に応じて給与や賞与の額が極端に増減することはなく、実態は年功序列型の制度を取っていた時とほとんど変わらなかった。

優秀な若手に報いるために、と導入

写真1

岡田 浩人(おかだ・ひろと)氏
ソフトウエア開発会社でシステムエンジニア、管理部門を経験した後、通信会社の人事部門を経て、2005年小林製薬に入社。同社人事部人材開発グループで新卒や中途の採用、社内教育の企画・運営などに携わる。2006年から現職

(写真:山田 哲也)

 それを一気に時価主義に変えたわけです。背景には、1999年に株式を上場して会社の知名度が上がり、従来にも増して優秀な学生が新卒で入社してくるようになったことがありました。若手の優秀な社員たちに力を発揮してもらって、その結果に報いるためには、年功序列型の実情を改める必要があると考えたのです。

 実際、若手の社員を中心に社内でヒアリング調査を行ったところ、「今の仕事に対する専門知識は自分の方が先輩よりも豊富で上手にこなせている。それなのに評価してもらえていない」といった不満の声がありました。

 そこで改めて社員一人ひとりをきちんと評価して、働きに見合った処遇をできるようにしようとしたのです。職種ごとに必要とされる専門能力の定義をそれぞれ明文化して、日々の仕事の中で専門能力を発揮できているかどうかに、評価して点数をつける。こうした作業を毎年行って、社内における等級を変えていく。そして等級に基づいて給与の額を増減しました。

後輩の面倒を見ない先輩社員

 ところが、こうした制度に変えてから、チームワークに欠ける利己的な行動を取る社員が目立つようになりました。

 例えば、自分の職場に後輩が入ってきても面倒を見ようとしない。その結果、まず新卒で入ってきた社員が孤立するようになりました。そうした姿に気づいたのは、2006年10月のことです。新入社員を対象に研修を行ったところ、「この非常に忙しい時に研修をやってほしくない」と複数の参加者が訴えたのです。

 彼らは入社して半年が経ち、それぞれの職場で自分の担当を割り振られたばかりでした。このこと自体は以前と変わっていません。しかし従来は、研修で職場を離れれば周囲がフォローしてくれた。ところが、先輩たちが面倒を見てくれなくなって、そうしたフォローがなくなってしまった。

 「自分のことは自分でやれ」と突き放されているものだから、「自分がいない間に、担当しているお客様から問い合わせが入ったらどうしよう」といった不安を覚えたのでしょう。それが研修に対する不満となって表れたわけです。

 先輩社員が後輩の面倒を見なくなった弊害は、新入社員の孤立だけにとどまりません。社歴の浅い若手社員が、数年後に自分がどういう仕事をしているかがイメージできなくなった。

管理職も、管理をしなくなる

 具体的な例を挙げて説明しましょう。営業職の場合、若手の社員は最初に個々の店舗を担当します。その次の段階では小売りチェーンの本部のバイヤーと折衝することになる。

 ところが、その仕事を担当している先輩社員の仕事ぶりを見たことはないし、アドバイスももらえない。どうしたらバイヤーとの折衝を任せてもらえるようになるのか、若手は途方に暮れてしまいます。

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「“アイデア勝負”の会社が見直した理由」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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