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組織改革で体質転換~鈴木 泰信(NTN会長)

自発的な社風は組織の壁を崩すことから

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2008年7月9日(水)

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前社長の急逝を受け、思いがけず社長に就任。
就任直後の2002年3月期こそ赤字に転落したものの、
以来、企業体質を転換すべく組織の抜本改革に着手。
海外営業と国内営業、営業と技術などの壁を取り払い、
顧客別に組織を再編、集中すべき対象を明確にした。
これにより、顧客対応スピードと提案力を徹底強化し、
売上高、利益とも5期連続で過去最高を記録する。

すずき・やすのぶ
1936年岐阜県生まれ。59年名古屋工業大学金属工学科卒業後、東洋ベアリング製造(現NTN)に入社。79年からカナダ工場、ドイツ工場に計8年海外勤務。91年取締役、94年常務、97年専務、99年副社長を経て2001年社長に。07年6月現職に。(写真:山田 哲也)

 

 組織のあり方にベストはない。環境の変化に合わせて、思い切って変えることも必要だ。積極的に攻めるべき重要局面では、いかに機動的に動ける組織にするかが成長のカギを握る。

 「選択と集中」とよく言うが、私は「集中と選択」と言っている。成長するにはまず集中すべきターゲットを定める。そして、集中できる組織に徹底的に再編していく。そうすればおのずと選択することになり、無駄を排した対応力の高い筋肉質の組織になっていく――。

 これが、2001年11月に前社長の急逝に伴い社長に就任し、以来、当社の抜本的組織改革を進めてきた私の実感だ。

 このほど2008年3月期の決算を発表し、おかげさまで5期連続で売上高、利益とも過去最高を更新できた。瞬く間に過ぎた6年半だったが、この間取り組んできた組織改革を振り返ってみたい。

突然、余命半年と宣告されて

 2001年11月20日。この日を私は一生忘れないだろう。社長になって10日ほど経ったばかりの時だった。朝、目覚めると、左の下腹にこぶし半分ほどの硬い塊があることに気づいた。緊急検査入院すると、悪性リンパ腫で「余命半年の可能性が50%」と告げられた。実は半年ほど前から腰が痛く、検査を何度か受けていたが、問題はないと言われていたのに、だ。

 「なんたることか」
 だが、怒っている余裕はなかった。

 NTNは当時、バブル崩壊後の景気低迷で受注が激減、一時は1000円台をつけていた株価は200円台にまで下がるなど深刻な業績不振に陥っていた。

 私は2001年末に65歳を迎えることから、翌年の退社が決まっており、そのため既に生産や技術の担当を外れ、無任所の副社長になっていた。だが、緊急事態ということで急遽、社長登板となったのだった。

 「残された半年で自分にしかできないことは何か」。もはや腫瘍が大き過ぎて手術できない。点滴による抗ガン剤の投与を受けながら、この1点に絞り病院のベッドで考え抜いた。社員に無用な混乱を招かないよう社長室の明かりは毎日、夜までつけっぱなしにしておくよう命じた。

 そして出した結論が、社員の1割に当たる800人の人員削減と組織の抜本改革だった。

 2002年3月期決算は最終損益で赤字に転落した。待ったなしのところまで追い込まれた状況で、NTNを再生させるには、固定費削減という思い切った対策が必要だった。

 人間も動物も飛ぼうと思ったら、まず縮まなければならない。だが、際限のない縮み方は疲弊するだけだ。短期間縮んで、飛び上がる挑戦をしようと考えたのである。

 当社の歴代社長は銀行出身か経営企画畑出身で現場を知らなかった。そのため人員削減に踏み切れずにいた。だが、NTNで初めて技術系出身のトップとなった私は、ほぼ一貫して開発や生産部門を歩んでいたため、どの工場にどんな機械があるかまで現場を知り尽くしていた。

 加えて私は技術系とはいえ専門は金属工学、いわば材料屋だ。主流のエンジニアとは異なるうえ、40代では上司に意見する性格が災いし、カナダの工場、ドイツの工場へと続けて飛ばされた。計8年海外の生産現場を担当するなど、常に組織の傍流を歩んできた。それだけに当社の体質や問題点を客観視できていた。

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