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人は「リターンを好む」より「リスクを嫌う」
合併・買収でも同じ“過ち”が起きている

  • 松田大介

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2008年7月18日(金)

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 読者の皆さんは、証券会社が提供している「資産運用セミナー」に参加したり、書店に並んでいる資産運用に関する雑誌や書籍を買って読まれたりしたことはあるだろうか。

 この1~2年は「2007年問題」と呼ばれる団塊世代の一斉退職がメディアにいろいろと取り上げられていたが、同時に雑誌やCM等で目に入ることが増えたのが団塊世代向けの資産運用に関するもの、投資信託の広告であった。投資信託の商品の中には様々な商品があるが、「国内の債権や株式に加えて海外の債権、株式に分散投資してリスクを低減します」というような記述がされている商品もある。ここで疑問に思われる方もいるだろう。「分散投資をするとなぜリスクを低減することができるのか?」ということである。

「分散」はいろいろな意味を持つ

 この「分散」というコンセプトは様々な意味を持っている。統計学を学ばれたことがある方は、分散とともに標準偏差を思い浮かべるだろうし、インベストメント理論を学ばれたことがある方は、「ポートフォリオ」や「アセットアロケーション(資産の配分)」を思い浮かべるだろう。もちろん、両方を学ばれたことがあるファイナンス系出身の方は両方を思い浮かべられるだろう。

 ファイナンスの世界では「分散」は「リスクの低減」の効果があるものとして教わり、さらに行動ファイナンスの世界では、人間はリターンを好む感情より、リスクを嫌う感情の方が強い(プロスペクト理論)と教わる。つまり人間は100万円投資した時、110万円に値上がりしたプラス10万円の喜びよりも、90万円に値下がりしたマイナス10万円の悔しさの方がはるかに感情的に強く感じる、ということである。事実、投資家の運用スタイルを区分けしてみると、例えば「格付けシングルA以上のみに投資をする」というようなリスク回避型が全体の多くの割合を占めることに気づかれるだろう。

 この「分散」というコンセプト、特に「リスクの分散」というものを企業の経営に置き換えて考えてみよう。例えば異なる事業を営む企業同士がM&A(合併・買収)によって一緒になり、複数の事業を持つことは、リスクの分散と言えるのだろうか。それとも損失やディスカウント(割引)を生むのだろうか。上記で述べたように、人間はリスクを嫌う性質がある。これは企業の運営形態が選択される際に、どのように影響を与えるのだろうか。今回はこのテーマについて述べていきたい。

組み合わせのカタチから見るリスクとリターン

 事業の組み合わせに関するものは3種類ある。1つ目は事業活動の流れ(バリューチェーン:価値活動)を強化するというものである。下図の事業活動上には、設計・開発から、販売までの機能があり、その機能間の結びつきをより強くすることで強みが生まれる。ここでのポイントは、社内だけを見て強化するのではなく、「競合他社と比較して」、強化できるかどうかである。

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