• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第50話 「粉飾決算も経営の一部なんだ」

2008年7月16日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

◎前号までのあらすじ

 ジェピーでは株主総会が進行していた。

 総会の途中、間中隆三に沢口萌が耳打ちしたのを機に、間中の態度が一変した。ジェピーの大株主である会長の財部ふみが亡くなったと聞いた間中は、ついに会社を手中に収める時が来たと思ったのだ。

 間中が自身の取締役留任と沢口萌の新取締役就任を可決しようとしたその時、達也が決議は無効だと叫んだ。財部ふみが亡くなったというのは、達也の師匠でふみを古くから知る宇佐見がたくらんだウソだったのだ。

 狼狽する間中を尻目に、達也は間中と萌を横領の疑いで通報したと、会場に響き渡る声で言い放った。

 すると間中は「何を馬鹿な…」と叫んで達也を睨んだ。
 
 「僕はあなたの魔術にはかからなかった」

 達也は仁王立ちしたまま数字の魔術師に言った。

 すると間中は「団君。君は誤解している。会計は業績を測定するだけのものではない。粉飾決算も経営の一部なんだ。私は会計戦略を経営戦略の柱としてきた。それだけのことだ」と言って、間中は達也に背を向けて会場を後にしようとした。

 (この期に及んで何を言いたいんだ…)
 
 たまらず達也は叫んだ。

 「それは欺瞞ですよ。あなたは粉飾決算で人を騙し、経営者でありながら横領という罪を犯した。この事実を厳粛に受け止めるべきだ」

 突然間中は走り出した。萌も後を追った。達也は2人に向かって会場に響き渡る大声で叫んだ。

 「逃げられませんよ。刑事さんが見えないのですか!」

 達也は会議室の出入り口を指さした。そこには、見知らぬ男が2人立っていた。
 
 刑事の姿を確認するや、間中はその場にへたりこみ、腰が抜けたようにうずくまった。そんな間中の姿を見て、斑目は不安な表情で「どうしよう、どうしよう」と小声で繰り返した。

 透き通るような白い肌の萌が、両手で顔を覆い、髪を振り乱して泣き崩れた。

 刑事たちはゆっくり会場に入ってくると、そのまま3人を連れて会議室を後にした。

「「熱血!会計物語 ~経理課長、団達也が行く」」のバックナンバー

一覧

「第50話 「粉飾決算も経営の一部なんだ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トップ自らが矢面に立つことで、問題は次第に収束していきました。

佐々木 眞一 日本科学技術連盟理事長、トヨタ自動車顧問・技監