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“最も働きがいのある”米国企業の「内実」

アリサ・ブライト 元 米SASインスティチュート人事部ディレクターに聞く

2008年7月20日(日)

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 前回に登場した米スタンフォード大学のチャールズ・オライリー教授は、職場の一体感を取り戻すため、ビジョンや価値に再び注目すべきだと説いた。

 同教授が著書の中で、ビジョンで従業員を束ねている好業績企業の1つとして紹介したのが、ビジネス向けソフトウエア大手の米SASインスティチュート。米経営誌「フォーチュン」の“最も働きがいのある会社”ランキングの常連だ。

 同社がどのようなビジョンを掲げて人材をひきつけ、さらに定着させているのか。元同社人事部ディレクターのアリサ・ブライト氏に聞いた。

(本誌による要約日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)

 世界中で今、優秀な人材の奪い合いが起きています。思うように採用が進まず、どの会社も苦労している。SASも例外ではありません。

 そうした中、人材をひきつけるうえで役に立っているのが “評判”です。例えばSASは、米経営誌「フォーチュン」が毎年実施している「最も働きがいのある会社ベスト100(100 Best Companies to Work For)」に、1998年の開始以来、11年連続で選出されています。

頻繁に人事異動を行う

アリサ・ブライト(Alisa Bright)氏

アリサ・ブライト(Alisa Bright)氏
米ハイポイント大学卒業。米ホームバンク・モーゲージの人事マネージャー、米ファースト・シチズンズ銀行の採用マネージャーなどを経て、米SASインスティチュート人事部のディレクターを務める。

 SASがこのランキングの常連である理由は、社員の気持ちを重視する人事体系を取っていることだと思います。SASは人事異動を頻繁に行っています。社員の側から見れば、挑戦しがいのある仕事を社外ではなく社内に見つけることができます。

 例えば、管理職になった人がしばらくやってみて、「自分は管理職には向いていない」と悟って一社員に戻る。これも、非常にポジティブなことと受け止められる。社員が自らの居場所を見つけて、会社に貢献していると感じられるようになることが奨励されているのです。

 ほかの会社であれば、「その社員はじっくりと時間をかけて育ててきたんだ。別の部署に持っていかれては困る」と抵抗する人が出てくるでしょう。こうしたことは、SASではあり得ません。社員が成長していく機会をどんどん与えていくのが、企業哲学としてあるからです。

 複線型のキャリアを設けていることも重要ですね。管理職にならず、例えば現役のソフト開発者であり続けても、給与が増えていく仕組みを整えています。これは、収入を増やすために、社員が本当はなりたくない管理職に仕方なく就こうとするのを防ぐ効果があります。

 SASが優先しているのは、社員が快適に感じて情熱を持って働ける環境を用意することです。管理職へ昇進させることが社員に報いる唯一の手段だとは全く考えていません。

CEOの仕事は社員に気持ちよく出社してもらうこと

 SASの創業者の1人で、CEO(最高経営責任者)あるジム・グッドナイトが、常に心がけているのは、社員が仕事に専念することを妨げる障害を取り除くことです。

 まず、「素敵な場所で働いている」と社員に思ってもらうことが大事ですね。(米ノースカロライナ州キャリーにある本社の)敷地内の景観やそこかしこにある美術品も、社員が車で出社してきた時に爽快な気分になってもらう狙いがあります。これは、グッドナイトCEOの信念でもあるのです。

 彼は、いつも次のように言っています。「SASの資産の95%は社員たちだ。そして私の仕事は、家路についた彼らが翌朝に必ず気持ち良く出社してくるようにすることだ」と。

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「“最も働きがいのある”米国企業の「内実」」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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