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子どもをもつ母親たちが熱烈に支持しているアフタースクール

サービス業の固定概念【その2】「お客様は神様」を考える

  • 五十嵐尚子

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2008年7月30日(水)

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レガシー(2)「お客様は神様です」は本当か?

本連載においては、サービス業の業界内で長期にわたって蓄積された、根深い思い込みを「レガシー」と言い、これらの思い込みから脱却した事業に焦点をあてることで、サービス業の変革へのヒントを見出すことを目的としている。

 第1回で9つのレガシーを示したが、それぞれは複雑に関連しあっている。1つの事例が複数のレガシーを打破する一方で、他のレガシーを抱え込むこともあるだろう。だが、各レガシーを乗り越えた事例をもとにして、国内サービス事業へ思いを馳せ、サービス事業活性化のために、さらなる議論を重ねていきたい。

 これまでの連載第2回第3回第4回では、  レガシー(1)「サービス業ではブランド化や差別化が難しい」を脱却した事例を紹介した。形をなさないサービス業は、特殊な高級ビジネスを除いて、ブランド化しにくい。また、真似が簡単、違いを示すことは困難なので差別化しにくい。

 これまでに取り上げた3社、ベアーズ、アーバンフューネスコーポレーション、花和楽の湯はそれぞれ、コミュニケーション、サービスの新規性、品質管理(コアな部分はアウトソーシングしない)という強みをもとに、市場で優位に立っている。しかし、人材が変わったり、アイデアが大資本に真似されればビジネスモデル崩壊の危機にあることもまた事実ではあり、今後どのように現在の優位性を保ち成長していくのか、着目していきたい。

 さて、今回からは、レガシー(2)「「お客様は神様です」は本当か」について考えたい。

 このレガシーは、近年急増している「モンスター化した顧客」に対応するために云々というような話ではない。実は、第2回ベアーズ社専務の高橋氏が語った言葉「お客様はお互い様です」や、第4回の花和楽が顧客を絞りこんだサービスを行っていることにも関連する部分でもあるが、サービスの購入者である顧客を、事例企業がどのように捉え、顧客満足のためにどのような手法をとっているかをご覧いただきたい。

ワーキングマザーの悩みに、手を差し伸べる事業

 大事な子どもを置いて働く母親の心の内を想像されたことはあるだろうか? 子どもは寄り道せずに帰宅したか、用意したおやつでお腹が満たされたか、ちゃんと宿題をやったか、咳をしていたが風邪はひどくなっていないか、変な訪問販売や電話にひっかかっていないか、火事や泥棒、様々な事件に巻き込まれていないか、ああ、今日は残業で遅くなってしまう・・・。

 そんな挙げればキリのない母親の憂慮やニーズを徹底的に拾い上げ、厳選し、最も顧客が必要とするポイントを見極めることによって、大多数の母親や子どもの一番痒いところに手が届く、細やかなサービスを提供している事業がある。

 エムアウトのキッズベースキャンプ事業(以下KBC)は都内と神奈川県に計9カ所の店舗を持つ、学童保育の機能を備えた送迎付きのアフタースクールである。

 宿題、おやつ、遊びに加え、オプションで晩ご飯も提供。通常は19時までだが、最長22時までの延長や、1日からの利用が可能。長期休暇にも対応し、子どもの学校スケジュールや習い事、母親の仕事の状況に合わせてフレキシブルにサービスを選択できる。さらに入退室管理システムや提携病院の完備により母親が安心して働くことを支援する仕組みが充実している。

突如立ちはだかる「小1の壁」の経験を、ビジネスに転換

 働く母親が最も懸念するのは保育時間の融通、子どもの時間の充実、安全性。この3点を補完するアフタースクールが作られた理由は2児の親でもある事業部長の島根太郎氏自身が子育てをする中で、既存の学童保育は母親がフルタイムで働く家庭のライフスタイルに合致していないことに気がついたからだ。保育園から小学校に進むと突如表れる“小1の壁”。就学児を持つと時短勤務はなくなり、学童保育は18時まで。さらに人手不足で出欠管理すらままならない学童保育もある。そんな学童保育とライフスタイルとの溝を埋めることにより、働く母親を支援し、多くの人が子育ては楽しいと思える社会の実現に貢献したいと考えた。

母親のニーズに応えるために、3つの方向からニーズを吸い上げる仕組

 KBCが桜新町に1号店を設立してから2年足らず。これまでに9つの店舗を構え、1000人を超える会員を獲得した。この成長速度の要因は、徹底した顧客ニーズの収集と適格なサービス化にある。創業前の調査はもとより、設立当初は入会前の個別面談で要望を聞き出した。顧客接点が多いキッズコーチ(子どものケアを行うスタッフ)は送迎や連絡帳、電話やメールで母親と接触し、気づいたことを本部に通達。さらにKBCのサイトには出店等の要望を書きこめるシステムを用意した。現在のユーザー、関心を持っている未利用者、ユーザーに接するスタッフの3方向からの情報を入手できる仕組みとなっている。

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