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リッツカールトンに負けない有馬温泉の旅館~オープン5年間の稼働率は99%

「お客様は神様です」のウソを考える(2)

  • 石井 良一

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2008年8月6日(水)

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明確な顧客ターゲティングと地域を巻き込んだマーケティング力で勝ち抜く

 阪神・淡路大震災以降、団体客が減少し、開店休業状態、廃業のホテルが相次ぐ有馬温泉の中心部で、1人気を吐いている人物がいる。それがここに紹介する金井啓修(ひろのぶ)氏である。15代目という老舗旅館「御所坊」の主人であり、有馬温泉内にほかに2つの旅館「花小宿」「御所別墅(ごしょべっしょ)」、コンドミニアム「アブリーゴ」、洋菓子店「カフェ・ド・坊」、ギャラリー、有馬玩具博物館などのほか、市外ではオーベルジュや、旅館等で出す食材を生産する農業法人まで経営している。

 花小宿や有馬玩具博物館は休業した旅館を譲り受けたもので、ほかにも有馬温泉の同世代の8人の仲間と「合資会社有馬八助商店」を設立し、空き店舗を飲食店に改造したり、新しいおみやげを開発したりと町起こしにも貢献している。

 1泊2食で花小宿は約2.3万円、御所坊は約3万円、後述する御所別墅は約5万円と顧客ターゲットに合わせた価格を設定し、顧客の満足するサービスの提供と付加価値の維持を両立させている。その成功要因は、顧客ターゲティングと地域を巻き込んだマーケティング力にありそうだ。彼のこれまでの軌跡を見ていきたい。

感性を形に

 金井さんは有馬に生まれた。両親が経営する木造の老舗旅館は古めかしく、経営は景気の波に左右され、当初は旅館を継ぐことは考えなかったという。有馬を離れ働いていたある時、十和田湖のレストランでおいしいピザに出合う。その主人が「都会から人を呼ぶ店にしたい」と話したことに共感を覚え、有馬に多く残る空き地を使って何かできないかと思い、有馬に戻ったという。

 同世代の仲間と有馬温泉の活性化や宣伝方法について議論を重ねながら、自身は旅館とは無縁のギャラリーや洋菓子店の立ち上げなどに携わった。その後、両親のリタイアメントに合わせて1987年に御所坊を継いだ。

 老朽化している御所坊の改装にあたっては、バブル期で他の旅館が大規模化するのに対して、宴会場をつぶし30室ある客室を20室に減らし、自らの感性を信じ、デザインや小物にこだわる小旅館化を目指した。神戸外人クラブでの勤務経験を持つ金井さんには、明治大正期に外国人が逗留したリゾートを再現したいという思いがあったそうだ。

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