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「役に立たない会計に我慢がならなかった」

第1部を終えて――著者、林 總さんに聞く

2008年8月6日(水)

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 「熱血!会計物語~経理課長、団達也が行く」第1部は大好評のうちに連載を終えました。約1年間にわたってご愛読いただいた読者の皆様には心よりの感謝を表します。ありがとうございます。

 さて、今回は物語の主人公、団達也に代わって、著者の林 總さんにご登場いただきます。「会計物語」は、林さんにとって初めての本格的な“会計小説”。公認会計士であり、経営コンサルタントである林さんが、実際の体験をベースに書いたものです。

 今回のインタビューでは、「会計物語」第1部の執筆を終えた林さんに、この物語で読者に伝えたかったこと、そして団達也や西郷幸太に込めた熱い思いについてお話を伺いました。

 インタビューでは、経営と会計の関係や公認会計士の本質的な役割についてのお話のほか、若き日の林さんの、達也に勝るとも劣らない“熱血”ぶりをうかがわせるエピソードも出てきます。第2部の読みどころも少しだけ、教えてもらいましたので、最後までぜひ、お読みください。

(聞き手は、日経ビジネス オンライン編集部 飯村かおり)


―― 「熱血!会計物語~経理課長、団達也が行く」の連載、お疲れさまでした。毎回大変多くの読者にお読みいただき、当サイトの大ヒットコンテンツとなりました。ありがとうございます。

 第2部の連載も間もなくスタートしますが、「会計物語」第1部で林さんが読者に伝えたかったテーマは何だったのか、そこからお聞かせください。

林 總氏

経営コンサルタントが本業の林 總さん。セミナーや講演などで全国各地を飛び回ることも

 まず主人公、団達也の恩師である宇佐見秀夫の言葉にあった「会計数値を鵜呑みにしてはいけない」、ということです。会計数値にはいろんな人の思惑が反映されていて、しかも簡単に操作できる。経営者がインチキしようとすると、かなりの割合でそれが可能だということです。

―― まさに、ジェピーの経営陣がやっていたのは、水増し請求や循環取引、利益の水増しや架空売り上げなど、会計数値の操作による粉飾決算でした。あらゆる会計上の不正が行われていましたね。

 その結果何が起こるかと言えば、倒産です。

 一方で、会社というのは存続しなければ意味がない。存続させることが経営です。会計とは経営の一部であり、経営を可視化することです。

 例えて言えば、会社を車、運転手を経営者に置き換えてみましょう。メーターやバックミラーが壊れている車の運転は、恐ろしくてできません。猛スピードで疾走する車の状態がつかめないからです。経営も同じです。会計数値(つまりメーターやバックミラー)に注意を払わないと“事故”を起こしかねない。会計は経営の重要な一部だと言ってもいい。

 ところが、その会計数値は経営に不可欠な情報ではあっても、100%信頼できるものではない。会社の本当の姿を正確に表していないからです。ですから、経営者は、会計数値を拠り所にしながら、五感を最大限に働かせ、様々な情報を取り込んで経営しなくてはならないのです。

 ジェピーの経営陣は会社を存続させるという経営者のミッションとは全く反対のことをしました。会計数値をねじ曲げることで、自分の首を絞めてしまった。粉飾決算がいかに罪作りかということをこの物語では表現したかったんです。それは明らかに間違ったことです。

物語で書けば数字や書類の意味が実感として伝わると思った

―― 達也は物語の中でジェピーの粉飾を明るみに出そうと全身全霊で突き進みました。それは、自分のせいでクライアントの会社を潰してしまったという、重く、苦しい経験を経た後、二度と自分が関与した会社を潰すわけにはいかない、会社を存続させなければという、強い使命感があったからですね。こういった経営と会計の関係を、「物語」という手法でお書きになった理由は何ですか。

 連載の最後の方で、ジェピーの間中隆三専務宇佐見に、会計は経営戦略の柱だと言わせました。

 会計を実際のビジネスで使うとはどんなことかを伝えるとともに、会計はビジネスそのものだということを立体的に表現したかった。

 会計のテキストのように、理論だけを“2次元”で表現するのはそんなに難しいことではありません。でも僕は3次元の世界で立体的に表現したかった。その際もっとも有効な手段が物語だと考えたんです。

 2次元のテキストで表現できるのは、会計の説明だけです。でも、3次元の物語では、会計があり、ビジネスがあり、法律があり、そこに人間の感情を絡められる。

 それから、会計の実務書には、手続きや調査に必要な書類について説明したり、そのうち証拠力の高い書類はどれかについて解説したりするジャンルがあります。実務家にとっては重宝するテキストです。

 この「会計物語」には、そういった手続きや書類の説明が出てきます。

 請求書控えをチェックするとか、運送会社や倉庫会社の請求書をチェックするとかいった場面です。例えば、監査論のテキストには運送会社が発行する請求書には、積み荷に関する詳細な情報が書いてあるから、すごく証拠力が高いと書かれている。

 でも、なぜ証拠力が高いか低いかが具体的に分からない。どのような局面に利用されるかが書かれていないからです。しかし、それを物語の中で説明すると実感として分かると思ったのです。

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「「役に立たない会計に我慢がならなかった」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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