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「CO2削減」の先にある価値を見据えろ

「代替エネルギー」編をふりかえる(下)

  • 飯野将人,堤 孝志,瀬川 明秀

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2008年8月7日(木)

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NBO:先週に引き続き、代替エネルギー編に対して自己レビューをお願いしています。先週は「クリーンテックとは何か」についてと「太陽光発電」について伺いました。
 太陽光では「半導体と似ている…というか半導体産業そのものなので、技術進化、企業戦略が理解しやすい」とのお話がありました。

写真

飯野:ええ。太陽光発電は半導体関係者にとっては「見たことのある風景」なんですね。だけど、見たことがあるというのが、逆に障害になる可能性もあります。
 半導体でやらなかったこと、半導体でやって失敗したことが、今度はもしかしたらうまくいくかもしれない。

 例えば、米ナノソーラーみたいに電池パネルを「印刷」するような大胆な発想は半導体的な進化だけを見ていては出てこなかった。あれは日本企業も「やられた!」という感じではないでしょうか。

:まだご覧になってない読者の方がいれば、同社のウェブに掲載されている映像は一見の価値有りと思うのですが、あれはとても画期的でパラダイムシフトの予感がします。

「シマノの経営企画部にいたら真剣に参入を考えてます」

NBO:では、風力、バイオ燃料について伺います。まずは3回目の風力・・・。

:そう。風力発電は一見、大手企業の独壇場になっているように見えますが、そうではない部分もある。市場全体がまだまだ成長余地がありそうな中で、日本企業、ベンチャーにもチャンスがある、というのが言いたいことですね。

 確かに、世界市場における大規模発電のシェア争いの視点に立てば大手が有利かもしれない。装置も成熟してきており、技術的な大きなシフトが起きるとは思われていません。

 ですが、よくよく目を凝らしてみると、タービンとか、ブレードの装置の部分にも改善の余地はあります。風力発電の大きな羽根を造っている会社が、風が目まぐるしく変わる「ビル風」が吹く街中向けの小型装置を開発できるか、といえば、それには別の強みが必要で、そこに強みを持つ企業にはチャンスがあると言える。

 ですから、連載で触れた松栄工機のようなケースはこれからも出てき得るのではないでしょうか。風が強い時は強い時なりに、弱い時は弱い時なりにギアチェンジをするといった具合に、こうしたメカニクスの制御技術は日本のお家芸ですから。自動車、電機関連などメカニクス関連企業の参入機会はきっとあるんじゃないかと思います。

飯野:あと自転車パーツメーカーとか。僕が自転車パーツのシマノの経営企画部だったら、参入を真剣に考えているかもしれない(笑)。

「今の太陽光、風力のイメージは今後は通用しない」

飯野:そういえば…今回の連載で2回目3回目とも大平原に大型の発電装置をいくつも並べている写真がありましたね。

NBO:ええ、そういう写真がいくつもあるので…。

飯野:これは大型設備で大量に発電し、各家庭に一気に送電する。そんなイメージですよね。これはコンピューターで言えば中央集権的な「ホスト-端末」型のシステムアーキテクチャーに似ています。

NBO:ええ。

飯野:でも、発電もこうした形ばかりじゃない。コンピューターで言うところの分散処理ないし「P2P」の考え方です。いくつもの分散した小型発電施設があり、お互いがお互いを補完しながら電力を供給・消費する仕組みもあるんです。

 分散型のエネルギー発電、分散型のエネルギー消費という仕組みに合致した装置やサービスが今後は増えていくと思います。

 だから、現在の主流である「硬くて黒いパネル」の太陽光電池とか、大きな風車ばかりでもない。小さな風車もあるだろうし、「ええっ、これが太陽光電池」と今の僕らからすると想像できないものが主流になっていく可能性はあります。

NBO:第4回目は「バイオマス燃料」でした。このタイトルは「『飢えている人がいる時に、食べ物をクルマに食べさせる』バイオ燃料の“真面目な悩み”」。バイオマスに関しては食料的な観点からの議論も出ているというお話でした。

:バイオ燃料はこの1年で状況が変わってしまった感があります。ちょうど、『クリーンテック革命』の原著を最初に見た頃は、食糧競合の観点はあまり注意を払われてなかったですよね。

飯野:先月横浜で開催された「バイオフュエルズワールド2008」の講演でバイオ燃料の食糧競合性について、アナリストが「今の穀物価格の高騰を中国の大量需要のせいだけにするのはアンフェアだ」という趣旨のことをしゃべっていました。「今の穀物価格の高騰は100%バイオエタノール燃料のせいで、中国の需要の影響はごくごく限定的だ」「米国でコーンをエタノールにしているのがまずい」と。

:バイオ燃料の輸入に対して疑問を持つ人も出てきています。例えば、国外で作った農作物を利用して、現地でバイオ燃料を製造しても、輸送をどうするのか。消費地まで運ぶ船の燃料をどうするのか、といったものです。ライフサイクル全体で考えることも重要かもしれません。

NBO:昔のバスではありませんが、バイオマスは稲わらと廃材だけで動かすのであれば分かりやすいですね…。

飯野:確かに。バイオ燃料に利用するのが木屑、糞尿、廃材、廃食油とか「リサイクル」システムで完結するならメリットが明確ですね。でもそれだけじゃ、供給の安定性の点で産業として成り立たない。

:(展示会などを見ていると)日本のバイオ燃料関係では今のところ、廃油の精製に取り組むベンチャーが目立ちます。

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