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現役総理がお忍びで足を運んだ、最強の英語プログラム

「グレードの高いサービスを提供しても高い価格が取れない」は本当か?

  • 五十嵐尚子

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2008年8月20日(水)

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 前回前々回では、レガシー(2)「お客様は神様である」は本当かを検証した。「お客様は神様です」という言葉は魔力を持っている。とりわけ、顧客の方の力が強く、競争の激しい飲食業や宿泊業など1回でも不愉快な思いをさせただけで顧客が離れてしまう業種においては。サービス業変革のキーとなりうるのは、「私たちが選んだお客様こそ神様としてのサービスを受ける資格がある」という発想ではなかろうか。

 さて今回は、レガシー(3)「良いサービスを提供しても高価格を取れない、むしろ、過当競争・コストダウン競争に巻き込まれ質・収益が低下する価格競争に陥ってしまう」というレガシーと対峙する。

 サービスはモノとは違い、質の差を文字や数字で可視化することが容易ではない。そのため、業界内で一度値崩れが始まると、品質のいかんにかかわらず、ただいたずらに安売り合戦が泥沼化する可能性が高いのだ。

 例えば、以前は10分1000円が相場であったマッサージ業界では、60分4000~5000円へと低価格化しつつある。腕が良いマッサージ師を揃えていても、他社より良いマッサージを提供しても、その店を経験したことがない新規顧客には希求しない。また多くの人は、普段使いには10円でも安いクリーニング屋に心引かれる。

 つまるところ、高価格で、高品質のサービスを提供しようとしても、安い他社と比較して、何がどう高いのか、その理由を説明するのが困難なのがサービス業である。(翻って、質の高さよりも、結局、大量の広告費を投じた企業が、有利となりがちだ。少なくとも、一時的には)。

 今回取り上げる、ビジネスを主体とした英語教育業界。新鋭のマンツーマン英会話が順調に成長し、近年、大手英会話学校のほとんどがビジネス英語を売りにする。またブロードバンドの普及による英語との接点の増加が、標準価格の指標に揺さぶりをかけ、業界全体が大きな変貌を遂げつつある。

 そんな熾烈な競争が繰り広げられる業界にありながら、質を常に向上させながら、一方で派手に広告を打つこともなく、堅実に実績を積み重ねてきた企業がある。

シビアな投資銀行が費用を惜しまない社員研修プログラム

 創業28年のフェニックスアソシエイツ。かつてプレゼンテーションスキルを学びに、国連演説を控えた当時現役の首相がお忍びで通ったほど、そのプログラムには定評がある。同社が目的として掲げているのは、グローバルなビジネス環境で活躍する人材の育成。主に、ビジネススキルと語学を融合した研修プログラムを提供している。米国系投資銀行が億単位を使い、米国系コンサルティングファームがハーバード・ビジネススクール卒の社員を送り込むほど、国内外のトップマネジメントを魅了している。

 同社の大きな特徴とは、

【1】ビジネススキルと語学を融合したプログラムを提供すること
【2】各業界のトップ企業をターゲット顧客として絞り、そのニーズに徹底的に応えること
【3】プログラムを各企業、個人に合わせてカスタマイズすること

 の3点である。

 安易な広告戦略に走ることをせず、地道にクライアント企業との関係性を強めてきた同社。真に企業が求める人材を忠実に育て、世界に名だたる一流企業およそ250社を獲得してきた。

 同社への信頼と評価の神髄を探るべく、この3つの特徴がどのように構築、運営されているのか、その成り立ちと事業プロセスをご紹介したい。

KFCから生を与えられ、IBMに育てられた

 同社のB to B(企業間取引)でスキルと語学の融合教育という事業形態の背景には、その設立理由と沿革がある。

 創立者であるトーマス前社長は、日本の大学を卒業後、日本ケンタッキー・フライド・チキン(以下KFC)に入社し、マーケティング部門に所属していた。1980年当時、ハワイで社員研修を行っていたKFCは、研修前の事前英語学習の場を国内に求めた。しかし当時の日本には、ビジネス英語を学べる語学学校は存在しない。そこでトーマス氏がKFCのバックアップを得て設立したのが同社である。

 創業時はビジネス英語の学校であった同社が、大衆向けの単なる語学学校というカテゴリーに入らず、B to Bのスタイルを取ることができるようになった大きな要因は、日本IBM(以下IBM)の研修を受注したことにある。

 同社に研修プログラムの開発を依頼したIBMでは、当時、はるばる米国から講師を呼び寄せ、研修に多大な費用をかけていた。しかし航空運賃や数週間分の高級ホテルの滞在費用に費やすのであれば、日本国内で同様な研修を行える事業者を探して育てる方が有意義だと考えた。そこでビジネス英会話という、国内では希少なサービスを提供していた同社に依頼したのである。

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