• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

進学塾が変える学校教育の生産性

早稲田アカデミー:教師力養成塾が教える知的サービス業のR&D
レガシー(4)「サービス業にR&Dは必要ない」は本当か?

  • 妹尾昌俊

バックナンバー

2008年8月27日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回では、レガシー(3)「良いサービスを提供しても高価格を取れない、むしろ、過当競争・コストダウン競争に巻き込まれ質・収益が低下する価格競争に陥ってしまう」は本当かを検証した。さて今回は、レガシー(4)「『サービス業にR&Dは必要ない』は本当か?」というレガシーと対峙する。

 経済産業省の企業活動基本調査によると、サービス業において売上高に占める研究開発費(研究開発費とは研究開発費に係る人件費,原材料費有形固定資産の減価償却費(平成7年度は購入費),光熱費,消耗品費等の経費の総額)が0.75%であるのに対して製造業では4.26%と5倍以上の割合となっている。

 製造業とサービス業を同じ基準で比較することは困難であるが、サービス業における研究開発に対する投資はあまり活発でないといえる諸外国との比較の結果を踏まえても同様の指摘ができる。OECDデータによると、企業の研究開発に占めるサービス部門の比率は、日本が5%程度であるのに対して、他のOECD諸国のほとんどは10%程度かそれ以上の水準である。

 日本のサービス業の研究開発費の水準が高くないのは、サービス業における研究開発が、教育訓練や人材開発、組織としての知識の創造という側面で捉えられているためであると言われている。サービス業におけるR&Dは、研究開発費に含まれるものと、含まれない取組があるのではないだろうか。

 今回は、サービス業におけるR&Dの一つの優れた方向性を示す早稲田アカデミーの事例を紹介する。

教育再生は教師力の再生から

 「子どもたちが前を向いてくれるようになった」
 「授業に流れができ、授業するのがだんだん楽しくなってきた」

 早稲田アカデミーが提供する研修講座、「教師力養成塾」を受講したある公立中学校の先生は少し照れくさそうにこう述べた。読者の中には「この教師は何を“当たり前”のことを言っているのだ。先生が授業を楽しめないようではどうしようもないではないか」と考える向きもあろう。しかし、今の学校現場では、児童・生徒が先生の話を聞かない、授業が成立しないという、いわゆる学級崩壊は決して特殊な事態ではない。

 知的な発達に遅れはないが、学習や行動に困難を来たすLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもは小中学校の6.3%(40人学級に2~3人いる計算)と言われる(文部科学省調査)ように、学級崩壊は普通の学校でも起こることの方が“当たり前”である。

 同時に、学力低下やいじめ・不登校、不祥事などを受けて、学校の教師への世間の風当たりは非常に厳しい。教育再生のためには教師の資質・能力向上が重要なのは言うまでもないが、肝心の教師は、学級崩壊や保護者等からの信頼の低下に直面し、もがき苦しんでいる。

教師力養成塾の様子

教師力養成塾の様子(写真提供:早稲田アカデミー)

 自信を失っている教師も多い。「子どもたちが授業に集中しない⇒成績が落ちる⇒
保護者、学校内での教師の評価・評判が落ちる⇒自分の教育方法に自信をなくす⇒魅力的な授業がますますできなくなる」という悪循環に陥っているケースもある。

 この悪循環を断ち切ろうとする試みを民間の進学塾が行っている。冒頭で紹介した早稲田アカデミー(以下早稲アカと呼ぶ)である。同社では教師が自費で参加する教師力養成塾(私立学校などでは補助する場合もある)に加えて、山梨県、秋田県、足立区等の教育委員会の教員研修を受託している。以下では、早稲アカの取り組みを参考にしながら、学校教育の生産性向上と、他のサービス業への示唆を考える。

学校教育の生産性は低い

 学校教育(教師)の生産性を測定するのは正直、相当難しい。定量化しきれないことに加えて、教育の効果は多様なものがあるし、何年も後にならないと分からないこともある。ただし、次の2つの事実は学校教育の生産性が低いことを示唆している。

 第1に、私立学校に通う児童・生徒が多いことである。税金で賄われる公立学校を利用せず、高い授業料を払ってでも私立に通わせることは、その分だけ私立の方に高い付加価値を認めているということである。第2に、子どもの反応である。中学3年生の学習意欲等を調査している藤沢市によると、「塾の方が教え方は分かりやすい」と回答した生徒は69.3%で、「学校の方が分かりやすい」とした13.8%を大きく上回る(2005年)。塾の方が分かりやすいという割合は、1995年、2000年、2005年で一貫して増加している。

私の場合、教え方が分かりやすいのは

「“世界で売りたい” 日本のニュー・サービス」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

お客様が低価格に慣れてきている。

片岡 優 ジェットスター・ジャパン社長