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第7回 戦略を生かす組織、殺す組織

  • 佐久間 陽一郎

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2008年8月23日(土)

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 8月8日に開幕し、世界中の観衆を2週間余りにわたって熱狂させてきた北京五輪。4年に1度のスポーツの祭典も明日(8月24日)に閉幕する。

 この北京五輪の最上位のスポンサーである世界パートナー。その座に就いている唯一の日本企業が松下電器産業6752である。今年10月1日に「パナソニック」に社名を変更する同社は、中国の20都市で薄型テレビ「ビエラ」を集中展示するプロジェクトを閉幕日まで行うと報じられた。

 同社は2002年3月期の決算で4000億円を超える最終赤字を計上。その後、中村邦夫社長(現会長)の下で改革を断行し、2008年3月期には営業利益5195億円、売上高営業利益率5.7%を達成するまで業績を回復した。

 「中村改革」は、創業者の松下幸之助氏が作った様々な制度にメスを入れた。その1つが「事業部制の解体」。事業部を製品の開発と生産に集中させると同時に、新設したマーケティング本部に在庫責任を負わせ、売れない製品を事業部から仕入れない仕組みを作った。これが、ビエラやデジタルカメラの「ルミックス」といったヒット商品が生まれる土台となった。

「組織は戦略に従う」

 このように企業が新たな経営戦略を作って実行する際に、既存の組織に手を入れることは多い。これまで強調してきたように、経営戦略の本質は、ヒト、モノ、カネからなる経営資源を的確に配分して有効に使うことにある。

 配分される経営資源の“受け皿”となるのが組織だ。戦略の転換に伴って資源の配分を変えた結果、受け皿としての組織を見直す必要が時に生じる。それは自然の成り行きと言えるだろう。

 この点について「組織は戦略に従う」と喝破したのが、米国の経営史学者、アルフレッド・チャンドラーだ。

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード大学経営大学院などで教鞭を執った彼は、化学会社のデュポンや自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)といった米国の大企業の組織を研究した。

事業部制の長所と短所、そしてマトリックス型

 事業の多角化が進んだ大企業では、開発、生産、営業などの機能ごとに編成する機能別組織は適合せず、事業部制組織へ移行する様子を考察した。そして、組織がどうあるべきかを規定するのはあくまで戦略であるとして、この名言を述べたのである。

 チャンドラーの研究を受け、多くの企業が事業部制組織を採用した。そこでは事業部に権限が委譲され、各種の機能を内包した事業部はあたかも1つの会社のように事業を行う。

マトリックス組織の概念図

 ただし事業部制組織にもデメリットがある。権限を過度に委譲すると、事業部の論理や利益を全社のそれよりも優先するようになる。さらに機能の重複に伴う非効率や、事業部間の壁に遮られて情報や知識の共有化が全社で進まないといった弊害も出てくる。

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