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“隠れた人材”を見逃してはならない

アンダース・ファーランダー
ボストンコンサルティンググループ
シニアパートナー兼マネジングディレクターに聞く

2008年8月24日(日)

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 団塊の世代の定年退職が始まり、彼らの持つ技能やノウハウが企業から失われることが危惧されている。いわゆる2007年問題だ。注意すべきは、この問題で企業から消失する恐れがあるのは、技能やノウハウを持つと思われている社員だけではないことだ。

 それは、組織の円滑な運営に貢献しているにもかかわらず、その存在すら知られていない“隠れた人材”である。会社の支えになっていたり、将来の成長をもたらすうえで要になるような人材を失う。その重大さについても企業は意識すべきだと、米大手コンサルティング会社、ボストンコンサルティンググループのアンダース・ファーランダー氏は指摘する。

 隠れた人材の離職を防ぐには、まずデータを集めてその存在と貢献度を特定しなければならない。そのためには事務的になっている人事部が、戦略部署に生まれ変わることが必要だと、同氏は説く。

(本誌による要約日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)

 日本では、団塊の世代が大量に定年退職していくのに伴って、彼らが蓄積してきた知識やノウハウが伝承されずに企業から失われる事態が危惧されているそうですね。これは日本だけではなく、先進国に共通する現象です。米国も、ベビーブーマー世代の大量退職によって同様の事態に直面しています。

 ただ、ここで気をつけなければならないことがあります。高齢者の退職によって企業から消失する恐れがあるのは、彼らの知識やノウハウだけではないことです。

組織の運営に陰ながら貢献する3つのタイプの人材

アンダース・ファーランダー(Anders Fahlander)氏

アンダース・ファーランダー(Anders Fahlander)氏
米大手コンサルティング会社、ボストンコンサルティンググループのサンフランシスコ事務所のシニアパートナー兼マネジングディレクター。米ハーバード大学経営大学院でMBA(経営学修士号)を取得。米IBMで財務アナリストやマーケティングコンサルタントなどを務めた後、ボスコンに入社。企業の組織改革のコンサルティングを専門に手がける。IBM時代に東京に勤務した経験がある。
(写真:鍋島 明子、以下同)

 米国の大企業を相手にコンサルティングをする中で気づいたのですが、企業の職場には知識やノウハウの持ち主のほかに、組織の円滑な運営に貢献している人がいます。大きく分けると、次の3つのタイプです。

 まずは「問題解決者」。これは、何か問題が起きた時に、社員たちから真っ先に問題を解決するための助言を求められる人です。

 それは、例えば自動車の電気系統のトラブルをすぐに修理できる技術者かもしれません。あるいは、商談を成立させるための値決めが得意な人である場合もあるでしょう。いずれにしても、何か新しい問題が起きた時に、それを解決するスキルを持っている人を指します。

 次は「メンター」です。これは、社員が自分のキャリアについての助言や、ほかの社員との関係が悪化した時のアドバイスを求める人ですね。

 社員がこうした助言やアドバイスを求める相手は上司とは限りません。ポジションに関係なく、真摯に相談に乗ってくれる人の元を訪れるものです。その相手であるメンターが誰なのかを把握することは重要です。

 最後は「懸け橋」と呼ぶ人材です。これは文字通り、社内の異なる組織の懸け橋となる社員を意味します。

 例えば、メーカーのマーケティング部門と技術開発部門の折り合いが悪く、両者の共同作業が一向に進まないということがよくありますね。こうした組織の壁を乗り越えて、両者の共同作業を引き出すことができる社員が懸け橋です。

 懸け橋の役割を果たせる社員に権限を与えたり、そうした力を発揮できるポジションに異動したりすれば、企業は部門間の共同作業を増やすことが可能になります。

 これらの3つのタイプの人材がいなくなると、組織の運営に大きな支障が出ます。ところが、驚くことに企業の経営陣はこれらの人々の存在に全く気づいていない。そこで我々は「隠れた人材(Hidden Talent)」と名づけました。

経営陣が存在に気づかない理由は、成果主義にある

 なぜ彼らの存在に気づかないのでしょうか。理由の1つには、今日の企業の多くが採用している成果主義型の人事評価制度があります。

 そこでは1人当たりの売り上げや利益など一定の評価基準に基づいて、上司が部下の成果を評価する。その基準は、隠れた人材の価値を評価できるものにはなっていません。ですから、上司から高い評価を受けることがない。企業の経営陣が隠れた人材の価値に気づかないのも無理はありません。

コメント7件コメント/レビュー

全くその通りです。やっとこの様な記事が出たと思ったら外人からとは情けない。以前もどこかの記事にコメントしたが、20%頭が良く頑張っている人が居ても、日常業務を円滑に進めている60%の人たちが居なければ全く結果は出せないことに気が付くべきです。(2008/08/25)

「ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに」のバックナンバー

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「“隠れた人材”を見逃してはならない」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

全くその通りです。やっとこの様な記事が出たと思ったら外人からとは情けない。以前もどこかの記事にコメントしたが、20%頭が良く頑張っている人が居ても、日常業務を円滑に進めている60%の人たちが居なければ全く結果は出せないことに気が付くべきです。(2008/08/25)

上場企業でもオーナー経営の会社では人材育成や登用はありません。特に安さのみを売りにしている会社では人材は使い捨てするのが当然であり、これによってコストダウンしているところすらあります。いずれ破綻することは明らかですので、このような会社に勤務されている方は早めにキャリア育成が適う職場へ移るべきでしょう(2008/08/25)

ただそこにいるだけで職場が明るくなるという、所謂ムードメーカーは、架け橋に当たるのでしょうか?この役目も数字には出にくいので、人事評価では軽視されがちだと思います。他にも、商品開発が必要な製造業の企画営業職や、新規開拓営業に携わる人、及び交渉力が他の人より何ランクも高い売る営業マン(どれも一般常識の逆の戦略を採ることが多いので、個性的な変わり者が当然多く上司は管理しにくい。)の評価も、0→10の実績を残したとしても、その苦労の割には、100→110にした人の方(こういう仕事が得意なタイプは、やるべきことをこなし、大抵は資料を作るのが上手い!)が、人事評価は高いと思います。上司から見ると、成果を読みやすく上司の言うことも聞くので、期待通りに仕事をしてくれる扱いやすい部下なのでしょう。でも、その人には創造性は間違いなく無いので、市場や市況の変化に対応したり、その部署が利益を大幅に出すことは、ほとんどできないのです。(2008/08/25)

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三品 和広 神戸大学教授