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記載=危ない会社でいいのか

「継続企業の前提に疑義」の意味

  • 杉田 庸子

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2008年8月25日(月)

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 日本経済新聞社の報道によれば、2008年3月期において「継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)」に関して疑義がある旨、有価証券報告書で注記された企業が104社となった。これは前期の78社から33%増え、この開示制度が始まった2003年3月期から最多となった。

 この注記は、会社が将来にわたって事業を継続していく可能性について疑義が生じた場合に付されるものだ。こうしたことから、夕刊紙などがその後に「危ない会社」などの見出しをつけて報道したこともあり、こうした記事を読んだ読者の中には、「あの会社は倒産が近い」だとか「株を売り急いだ方がいい」と思った人もいるかもしれない。

 しかし、そもそも、この注記がどういう位置づけであるのかは、一般には正確に理解されていないようだ。

継続企業の前提とは何か

 通常はあまり意識されないことだが、企業の財務諸表は、ずっと継続して事業活動を行うことを前提として作られている。財務諸表でこの注記を行うのも、企業とは継続、いわゆるゴーイングコンサーンであるという会計的な考え方に基づいている。

 仮に企業がゴーイングコンサーンではなく、翌年解散することが前提であれば、その企業の財務諸表は通常のものと大きく変わるだろう。例えば、会社の土地建物など有形固定資産は、通常は取得価格で記載していても、解散を前提にする場合は、決算日に処分したとしたらいくらか、という処分価値で評価することになる。

 このように記述が突如として変わることになると、債権者や投資家などの利害関係者が受ける影響は大きくなる。こうした状況を鑑みて、経営者は会社が少なくとも決算日の翌日から1年間、事業活動が継続することについて重要な疑義を抱かせる事象または状況が存在すると判断した場合は、財務諸表に注記することで利害関係者に注意を促す。

 記載する内容は、
(1)当該事象または状況が存在する旨及びその内容
(2)継続企業の前提に関する重要な疑義が存在する旨
(3)当該事象または状況を解消または大幅に改善するための経営者の対応及び経営計画の内容
(4)財務諸表は継続企業を前提として作成されており、当該重要な疑義の影響を財務諸表に反映していない旨

 になる。

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