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大企業だけじゃない~ニッポン企業が「ハイブリッドカー」への道を走り出す

  • 飯野将人,堤 孝志

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2008年9月4日(木)

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 NEXT BIG THING! ベンチャーキャピタリストはIT(情報技術)、バイオの“次に来る巨大潮流”を追い求めている。本稿ではNEXT BIG THING「クリーンテック分野」の投資で先行する海外(主に米国)事例を拙訳書『クリーンテック革命』(ファーストプレス)に触れながら紹介する。さらに、この分野はわが国にも先進的な事例がある。ニッポンの事例とニッポンの投資実務家の思いも語ろう。

 拙訳『クリーンテック革命』の第5章は「個人の乗り物」。原題は「Personal Transportation」。本来はむしろ「(貨物や情報ではなく)人間の移動手段」くらいの広い概念だが、本の章題として「人間の移動手段」では何を言っているのか分からない! ということで「個人の乗り物」に落ち着いた。「人間の移動手段」といえば4輪車、2輪車(もちろん自転車も)からセグウェイ(鳴り物入りで発売されたが、結局日本では公道が走れないことで決着してしまい、展示会などのごく限定的な場面で使われるだけになってしまった)のような「個人の乗り物」のほか、電車、航空機や船舶まで多種多様だ。

 世界の二酸化炭素(CO2)排出に占める運輸部門の割合は25%、その3分の2を自動車が占める。途上国中心に今後も乗用車保有台数は伸び続けることを考えるとクリーンテックの取り組みは必須だ。当然、ハイブリッドや燃料電池といった新エネルギー開発やディーゼルエンジンの改良といった省エネ、はたまたカーシェアリングやサイクルシェアリングまで裾野が広い。

 また、米国は日本よりもガソリン価格が安いせいで消費者が省エネに鈍感な印象があるが、これもガソリン価格が高騰していることで、大幅に変わってきた。米国の自動車販売に占める小型トラックのシェアが大幅に低下し、大型SUV(多目的スポーツ車)の代名詞である米ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・タホ・ハイブリッド」はトヨタ自動車の小型CUV(クロスオーバー・ユーティリティー・ビークル)「RAV4」よりも新車価格では1万3000ドルも高いのに4年落ち中古価格は3000ドルも安く取引されている。また米国におけるハイブリッドカーの販売台数は2007年に39%増だった。

 拙訳『クリーンテック革命』で紹介したTesla Motorsの電気自動車「テスラ・ロードスター」は何よりスタイリッシュなスポーツカーだし、創業者で現会長がPayPal創業者のElon Muskであるとか、購入予約者のリストがハリウッドの有名人やグーグル創業者で埋められているとかいう話題性もあって何かと目立つのだが、もちろん自動車とくれば日本のお家芸だ。2007年、2008年上半期と連続してトヨタがGMを上回り、名実ともに世界リーダーの座を固めたことは記憶に新しい。

 ひとくちに「クリーンエネルギー自動車」といっても、天然ガス自動車、メタノール自動車、ディーゼル代替LPガス車、ハイブリッド車、燃料電池車、そしてフル電気自動車までいろいろあるが、今回は読者もおなじみのハイブリッドカーに話を絞ってみよう。残念がら筆者にはまだまだ高額すぎて手が出ないのだけど。

  長所 短所
天然ガス自動車
ガソリンや軽油の代わりに天然ガスを燃料とする
窒素酸化物をディーゼル車比10~30%に削減できる
粒子状物質(PM)が排出されない
車体価格が従来車比1.4~2倍
1充填当たり走行距離が短い(150~350キロ)
タンク容量が大きく重い
燃料供給施設が少ない(日本全国で180カ所程度)
メタノール自動車
ガソリンや軽油の代わりにアルコール(メタノール)を燃料とする
窒素酸化物をディーゼル車比50%に削減できる
粒子状物質(PM)が排出されない
車体価格が従来車比1.1~2倍
低温時起動性問題
燃料有毒性
起動時にホルムアルデヒド排出
燃料供給施設が少ない(日本全国で50カ所程度)
LPガス自動車
(ディーゼル代替)
窒素酸化物をディーゼル車比10~30%に削減できる
粒子状物質(PM)が排出されない
車体価格が従来車比2倍
石油代替効果なし
燃料供給施設が少ない(日本全国で2000カ所程度)
ハイブリッド車
内燃式エンジンと電動機などの2つの動力を効率よく切り替えて走行する
燃費向上
排ガス削減
既存燃料流通インフラの転用可能
走行距離が従来車と同等以上
車体価格が従来車比1.1~1.7倍
バッテリー交換が必要
燃料電池車
燃料電池で発電し、電動機で走行する
水素を燃料とした場合水しか排出しない
リース料金高額(月額100万円前後)
燃料供給施設少ない
寒冷地仕様に課題
電気自動車
蓄電池と電動機で走行する
走行中にガス排出せず
低騒音
低振動
車体価格が従来車の2~3.5倍
交換バッテリーが高価
1充電当たり走行距離短い(100~200キロ)

クリーンエネルギー自動車の分類(出典:NEDO「新エネルギーガイドブック 入門編」から筆者作成)

ハイブリッドカー

 8月4日、GMを筆頭とする米国ビッグスリーの不調と格付け機関による格下げが報じられた。もちろんサブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)危機に端を発する世界的な不況のあおりを受けてトヨタですら販売は不振と伝えられているのだが「エコカーへの取り組みが彼我の明暗を分けた」という論調が多い。

 日本がリードしてきたハイブリッドカー(Hybrid Electric Vehicle、ハイブリッドカー)だが、今年上半期(1~6月)の、トヨタとホンダを合わせたハイブリッドカーの国内販売台数は前年同期比21.5%増の5万1758台。通年で10万台突破の勢いだ。同期間の新車販売台数は普通乗用車70万657台(前年同期比9.3%増)、小型乗用車84万8751台(同4.9%減)(日本自動車販売協会連合会)なのでハイブリッドカーのシェアは乗用車の3.3%。トヨタに続いて意欲的な取り組みを見せるホンダは2009年にハイブリッドカーのニューモデルを投入し、2010年を目処にハイブリッド比率を新車販売の1割に引き上げる構想だ。ハイブリッドカーで出遅れ気味の日産自動車もトヨタからの技術供与頼みから脱却し、独自開発に軌道修正。プラグインハイブリッドカーの開発も加速している。

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