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第8回 最強トヨタの知られざる強み

  • 佐久間 陽一郎

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2008年8月30日(土)

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 トヨタ自動車7203が四半期決算の発表を始めて以来、初の減収減益に──。

 今月7日に発表された同社の2008年4~6月期の連結決算のニュースは、こう大きく報じられた。純利益が前年同期に比べて28%も減少したことから、国内最強の企業であるトヨタの経営が曲がり角を迎えたと論じる向きさえあった。

 果たしてトヨタの経営には陰りが見え始めたのであろうか。私はそうは思わない。

 むしろ同社は、経営環境の変化に的確に対応して着実に手を打っている。例えば今年3月には、全社的に相当な規模の経費節減を実施した。7月には、北米3工場における生産ラインの一時休止など、思い切った北米生産体制の再編策を発表している。

 このようにトヨタは、対応できることから間髪を入れずに実行に移す。だからこそ、同四半期の純利益が前年同期に比べて42.8%減少した日産自動車7201などに比較すれば、小幅な減益にとどまったのだと見ている。

 トヨタが対策を素早く打ち出せるのはなぜなのか。その理由について考察する前に、前回の宿題の解答について見ていこう。それがトヨタの経営の秘訣を理解するヒントにもなるからだ。

【宿題】
 事業部制組織では、事業部間の壁に遮られて情報や知識の全社的な共有化が進まない。そこでマトリックス型組織が考案されたが、この組織にも複数の上司に仕える煩雑さに加え、責任や権限の所在が曖昧になるという欠点がある。
 マトリックス型組織以外に、情報や知識の全社的な共有化を進める手立てはあるのだろうか。

 こうした宿題を出したのは、人間の考え出すアイデアが企業の競争力を大きく左右する傾向が強まってきたからにほかならない。優秀な人材を抱え、彼らの創造性から生まれてくるアイデアやそれを体系化した知識が、企業の浮沈を決める重要な要因になっているのだ。

 にもかかわらず、事業部制組織をはじめとする企業の現実の組織は、社員からアイデアや知識を引き出して、それを広く全社で共有する形にはなっていない。部門の間にそびえる壁が障害となっているからである。

 しかも、事業の海外展開が進むにつれて企業の組織は肥大化し、人材は国内だけでなく海外にも散在するようになっている。

 こうした状況の下で、いかに個々の人材のアイデアや知識の共有化を進めるか。それが、現代の企業にとって大きな課題になっているのだ。

関心を共有する人が非公式に集まるネットワーク

 この課題に対する1つの解決策になると考えているのが、「コミュニティ・オブ・プラクティス(Community of Practice)」というコンセプトである。

 これは、米ゼロックスのパロアルト研究所の研究員だった経営コンサルタント、エティエンヌ・ウェンガーらが提唱したものだ。彼らはコミュニティ・オブ・プラクティスを「共通の専門スキルや、ある事業へのコミットメントによって非公式に結びついた人々の集まり」と定義した。

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