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LBOの最大の特徴は“借金をしても買い手は返済の義務を負わない”

  • 松田 大介

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2008年9月5日(金)

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 「すかいらーくのMBO(マネジメント・バイアウト)のように、LBO(レバレッジド・バイアウト)という手法で企業を買収すると、買収された企業は借金漬けになりやすいんですよね」

 MBOのことを何となく知っている人は多い。しかし、そこで用いられるLBOという手法によって、MBOを実行した企業の財務状態がこのように激変することは、一部のファイナンスの専門家以外には気づかれていない事実である。この手法を用いると、買収した企業はよほどキャッシュリッチな企業でもない限り、借金漬けになりやすいことは前回述べた通りである。今回は、このLBOという手法の仕組みを解き明かしながら、MBOについて再考したい。

LBOの最大の特徴は“借金をしても買い手は返済の義務を負わない”

 LBOというと、2005年、旧ライブドアが、ニッポン放送&フジテレビジョンと買収合戦を行っている時に話題となった。当時、メディアでは以下のように言われていたと思う。「LBOとは買収する相手の資産や収益を担保に、買収する資金を調達して買収すること」である。

 M&A(企業の合併・買収)におけるLBOとは、買収先企業が将来生み出すキャッシュフローや保有する資産を担保にして、買収資金を借り入れという形で調達するのだが、これだけでは説明が不足していると思う。この説明にある重要な記述を追加しなければならない。それは「買い手はその借入金に対して債務を負わない」という重要なポイントに関する記述である。

 すかいらーくのケースで言えば、「本来の買い手(現在の株主)」である、野村プリンシパル・ファイナンスやCVCキャピタルパートナーズには債務が及ぶことはない。両社が出資したSNCインベストメント(SPC:特別目的会社)が債務を持つ。この会社が旧すかいらーくを買収し、吸収合併することで、新すかいらーくに債務が引き継がれる。つまり、自分が買収された時に使われたお金を、自分で返済するのだ。

 このような「本来の買い手」に債務が発生しないローンのことをノンリコースローン(Non-Recourse Loan/NRL)と言い、一般的には不動産取得等の資金調達でも広く活用されている。六本木ヒルズの開発時の資金調達にこのNRLが利用されたことも有名な話である。

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