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敵対的買収とは本当に「敵対的」なのか?
MBOで見えてくる株主と経営者の間の歪み

  • 松田 大介

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2008年9月9日(火)

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「日本のMBO(マネジメント・バイアウト)はどこかがおかしかった。本質が知られていない」

 集中連載第3回目は、上場企業のMBOを取り上げる。

 第1回目第2回目では、すかいらーくの事例を取り上げながら、MBOという買収の形態で使われる、LBO(レバレッジド・バイアウト)という買収の手法を説明した。これを取り上げた理由はこれまで述べた通り、MBOで利用されるLBOという買収手法を使うと、買収先企業は借金漬けになりやすいことを申し上げたかったためだ。そのうえで、MBO実行後の企業が、なぜ再び上場を目指すかを述べた。このような考え方と事実がこれまでほとんど知られていなかったからだ。

 そして今回は、このMBOが本当に敵対的買収の防衛策となり得るのか、というところから述べていきたい。

敵対的買収の、「敵対的」は誰に対して?

 「敵対的」というのは非常に曖昧な定義だと思う。そもそも「誰に対して」敵対的なのだろうか。この問いに対する解答を先に言ってしまうと、それは「経営者に対して」である。決して「株主に対して」ではない。テレビ等では、「投資ファンドvs経営陣」という対決軸を設けてコンテンツとして紹介されているが、これでは本質はいつまで経っても見えてこなくなってしまう。

 ここで経営陣と株主と敵対的と思われる第三者の関係を、別の視点で例えてみたい。読者の皆様がある避暑地に別荘を持っているとする。その別荘には管理会社をつけて定期的に管理料を支払っている。そこに、Aさんという、「この周辺の別荘はこれからもっと価値が上がる」と思っている人が現れて「あなたが5000万円で買ったあの別荘を7000万円で売ってくれないでしょうか」と提案してきたとする。そうしたらなんと管理会社から邪魔が入って売却するかどうかの交渉の場でさえも文句を言ってくる。

 「Aさんに売ってはいけません! あの人は(云々と続く)」といろいろと言っているが、どうやらこのAさんは管理会社も所有しており、自分がAさんに別荘を売却すると、その管理会社は収入がなくなるということが分かった。さて、こんな時、別荘を所有している読者の皆様はどう思うだろうか。「この別荘は自分の資産なのだから、売却するかどうかは自分の勝手だ。なんの筋合いがあって管理会社がいろいろと言ってくるんだ?」と不満に感じるだろう。

「なんで自分の資産の扱いに口を出してくるんだ?」というのが本来の姿

 敵対的買収というのは、経営者(管理者)にとっては敵対的かもしれないが、株主(あなた)にとっては敵対的であるわけではない。そもそも株式は株主の資産である。貸借対照表には有価証券が資産として計上されている。経営者には株主の資産の運用を「委託」しているのであって、資産をどう扱うかは所有者の自由である。

 上記では分かりやすく「別荘」という例で申し上げたが、これが今の敵対的買収に対する、騙されない、本当の見方である。そして、この事例は株主と経営者の関係について、ある重要な事実を示唆している。それは、株主の希望と経営者の希望が一緒であるとは限らないということだ。経営者はあくまで会社を所有している株主から、経営を「委託」されている(資本と経営の分離)だけなのだが、このようにして利害が一致しないことが起きることもある。

 そしてMBOでは、株主と経営者の関係が歪(いびつ)になる時があるのだ。

経営者でどうしても気になること「MBOするなら・・・」

 再び、読者の皆様にイメージしていただきたい。今度は、読者の皆様は、上場企業の経営者、しかもMBOを考えている経営者である。投資会社等と一緒に企業を買収することを計画しているが、どうしても気になることがある。

 それは「MBOするなら、できるだけ安く買収したい」という思惑だ。

 ご存じの読者もいらっしゃると思うが、過去に実行された上場企業によるMBO、その中には株主から訴訟を受けているものもある。なぜ、そんなことが起きているのだろうか。訴訟が起きているMBOでは、奇妙な「事象」が起きていることが共通点として挙げられる。それは「意図的」と株主から思われてしまう「業績の下方修正」の発表から始まっている。

コメント2件コメント/レビュー

先の投稿者が勘違いしているようですが、すかいらーくの経営陣は会社を守ったのではなく売ったのですよ。私利私欲のために!株主どころか社員までないがしろにした経営陣は下ろされて当然です。(2008/09/10)

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いただいたコメント

先の投稿者が勘違いしているようですが、すかいらーくの経営陣は会社を守ったのではなく売ったのですよ。私利私欲のために!株主どころか社員までないがしろにした経営陣は下ろされて当然です。(2008/09/10)

>経営者はあくまで会社を所有している株主から、経営を「委託」されている(資本と経営の分離)だけなのだが・・・会社法上はその通りですが、それ以外に、日本の会社には社員の共同体的な側面があることを踏まえると、株主の利益に反して会社を守ろうとする行動が起こることが理解できますね。(2008/09/09)

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